後世の人々に模範とされる勇気の言論戦を貫いていきたい

2012年9月7日(金)更新:2
【名字の言】
 「紀元前1050年にまで遡って、先祖の名前を、全て言うことができます」。そう語ったのは、アジア屈指の経済学者で、シンガポール南洋理工大学のリム・チョンヤー博士。この夏、創価大学で特別講義を行い、創大関係者と懇談した折の話である
 リム博士の先祖は、中国古代、殷王朝の紂王(ちゅうおう)の時代の忠臣・比干(ひかん)とされる。彼は、一命を賭して、紂王の暴政を諫めたために、無残にも殺されてしまう。しかし、比干の子孫は生き延びて、以来、約3000年間、家系が続いているという
 相当な先祖の数になると思われるが、リム博士は「先祖の一人一人の名前を続けて読むと、一つの詩のようになっていますから覚えやすいのです」と笑った。ユニークな中にも、先人の足跡を断じて忘れぬ深き執念を感じた
 日蓮大聖人は「今の世までも比干は忠臣といはれ紂王は悪王といはる」(493ページ)等と、御書の中で十数カ所にわたり比干に触れ、称えておられる。国の安泰、民衆の幸福のため、何も恐れず正義を叫ばれた大聖人の信念の御生涯に通じるものがある
 今また乱世である。世相に一喜一憂することなく、後世の人々に模範とされる勇気の言論戦を貫いていきたい。創価の師弟の誇りと信念を持って!
   (聖教新聞 2012-09-06)