後を継ぐ自分は何を綴るか。日々、真摯に問い、努力を重ねたい

2012年9月23日(日)更新:1
【名字の言】
 書店で本を選ぶ時、あなたは何を手がかりにするだろうか。タイトル、著者名、目次、それとも装丁の美しさ? それらを伏せ、「書き出し」だけで選ぶとしたら……。大手書店の一角で「ほんのまくら」と称するユニークな催しがあった
 本は、書き出しをプリントしたカバーに覆われている。中をのぞくことはできない。著者が絞り出した一文から、どんな物語が展開されるのか。本の選択は手にする人の想像力に委ねられている
 「戦争ほど、残酷なものはない。戦争ほど、悲惨なものはない」。小説『人間革命』第1巻の書き出しである。この信念を起点に、戦後の学会の再建が始まり、戸田第2代会長、池田名誉会長の「師弟の平和旅」によって未聞の大道が開かれていく。その足跡が『人間革命』『新・人間革命』に綴られてきた
 新聞小説の連載回数で最長といわれる山岡荘八氏の『徳川家康』を超え、日本最多の記録を更新し、世界に冠たる一大叙事詩となった
 名誉会長の入信以来65年の人生は、恩師が構想した「東洋広布」という物語の“まくら”を受け継ぎ、さらに「世界」へ広げた歩みともいえる。そして、物語は未来へと続く。後を継ぐ自分は何を綴るか。日々、真摯に問い、努力を重ねたい。
   (聖教新聞 2012-09-22)