全国で秋季彼岸勤行法要――日々の学会活動こそ最高の回向

2012年9月21日(金)更新:4
【社説】
 「暑さ寒さも彼岸まで」といわれる。厳しい残暑も和らぎ始めた。
 あす22日は昼と夜の長さが等しくなる「秋分の日」。「彼岸」の中日である。
 学会ではこの日を中心に、全国の主要会館、墓地公園、納骨堂で「秋季彼岸勤行法要」を開催。広宣流布の途上で亡くなられた全国・全世界の同志と家族・親族、友人、先祖の冥福を祈り、勤行・唱題、焼香を厳粛に行う。
 また、発生から1年半が過ぎた東日本大震災で犠牲になった方々への追善と、被害を受けた方々の安穏、被災地の復興を深く祈念する。

〈故人を照らす題目の光〉
 「彼岸」とは、文字通り「彼方の岸」「向こうの岸」という意味である。
 仏法では、迷いに満ちた現実を「此岸(=こちらの岸)」と譬える。それに対し、悟りの世界、仏道修行の完成を「彼岸」と表現する。つまり、成仏に至る真の「彼岸」とは、眼前の苦しみや悩みに打ち勝つ修行が不可欠なのである。
 日蓮大聖人は「御義口伝」に仰せである。「今、日蓮と、その弟子たちが、亡くなられた聖霊を追善し、法華経を読誦し、南無妙法蓮華経と唱えるとき、題目の光が無間地獄にまで至って、即身成仏させる」(御書712ページ、通解)
 私たちが唱える真心の題目は、苦悩の底にいる人でも、即身成仏へと導くことができる。題目こそが故人への最高の追善回向である、との御教示である。
 「回向」とは、自らが修行して得た功徳を、他の人々に回らし向けるという意味である。御本尊を信じ、広布へまい進する私たちの日々の「学会活動」こそ、故人も含めて自他共の成仏を開く直道であることを銘記したい。

〈妙法の生命の絆は永遠〉
 今回の法要では「妙心尼御前御返事」などを拝読する。
 故人を思って唱題すれば、「妙」の文字が使いとなって、娑婆世界のことを告げ、故人の心を慰め、心を通わせていける――夫を亡くした門下を励まし、妙の一字の功徳を説かれたお手紙である。
 池田名誉会長は語っている。
 「春分秋分の日という地球のリズムに則って、会館等に清々しく集い合い、異体同心の広布の友と行う勤行・唱題こそ、大聖人の御心に最も適った彼岸の法要である」
 妙法の生命の絆は永遠――この確信を深めながら、故人と共に三世にわたって広布の旅路を歩む誓いを新たにしたい。
    (聖教新聞 2012-09-21)