人類の幸福という大義に生き抜く世界市民の模範―授章の辞

2012年10月7日(日)更新:3
【南米に光る学術の殿堂 ボリビア科学アカデミー 池田大作SGI会長「在外会員」に就任】
池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長が、南米「ボリビア科学アカデミー」の「在外会員」に就任した。
 これは長きにわたる世界平和への貢献を讃えたもの。
 「在外会員証」の授与式は6日、東京・八王子市の創価大学で挙行され、同アカデミーのゴンサロ・タボアダ会長、アントニオ・サアベドラ元会長、ボリビア多民族国大使館のルイス・マサハル・ヒガ・トミタ駐日大使夫妻らが列席。創大の山本学長に証書が託された。
●タボアダ会長は大きく二つの点でSGI会長に感銘を受けたという。
 1点目は、その行動の焦点が「青年」にあること。2点目は、世界的視野に立って、平和の道を開拓してきた足跡である。
●「池田博士のビジョンが現実のものとなっている事実を目の当たりにし、今回の授与が正しい判断であったことを、改めて確認することができました!」(タボアダ会長)
●決議書は「生来、深く平和を愛し、苦悩する人々を尊重してきた」SGI会長の人物像を讃えている。


【サアベドラ元会長の推挙の辞】
池田博士は深く平和を愛し、断固として戦争に反対してこられました。現代の世界は紛争が絶えず、紛争から生まれる貧困がさらに紛争を増幅させています。池田博士の思想・哲学こそ、現代世界が必要とするものです。


【タボアダ会長の授章の辞 池田博士が訴える人間革命の思想こそ磐石な未来を築く力!】
●わがアカデミーを、いついつまでもご自身の家と思っていただければ幸いです。丹精込めて手作りで積み上げたレンガ造りの家のように、池田博士も、わがアカデミーの建設に加わっておられます。
 “青年の成長、人類の最大の幸福、そして世界平和の道を切り開くため”という計り知れない大義のために、人生を捧げてこられた偉大な人格をもつ学者――それが池田博士に対する私どもの偽らざる気持ちです。
池田博士の人生には、消えることのない戦争の苦しみの記憶が刻まれています。
 4人のお兄さまが兵役に服し、長兄が戦死されました。仏法を信仰された池田博士は、こうした実体験の上に、戦後日本の苦しみを憂え、人間の対立と紛争の要因を根絶するために戦ってこられました。
池田博士は、恒久平和と人類の幸福を確立する上で、社会の構造的な変革だけでなく、人間の内面の変革が不可欠であるという信念をお持ちです。
 現代社会の混沌を乗り越え、人類の未来を磐石にするためには、人間の成長を啓発する価値観を伝える必要がある――
●「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする」
●まさに池田博士は、エマソンが言う「夜のない一日」のように、ボリビアの人々に希望を与える模範の存在なのであります。


【「生命尊厳」こそ人類統合の原点 創立者の謝辞(代読) 知性と人格の大人(たいじん)と聳え立て】
●まず、わが最優秀の創大生・短大生に地理の質問をしたい。
 第1問――この地球上で、最も高い場所にある首都は、どこでしょうか?
 〈会場の学生から「ボリビアの首都ラパスです」との声が〉
●第2問――万人の悲願である「平和」という、素晴らしい名前を持つ首都は、どこでしょうか?
 〈会場から再び「ラパスです」との声〉
 「ラパス」とは「平和」の意義であります。そして、この世界最高峰の「平和の都」ラパスに聳え立って、人類の平和な未来を展望されゆく最高峰の「知性の殿堂」こそ、貴・ボリビア科学アカデミーなのであります(大拍手)。
●「教義は、唯一つ。それは、人間であれ、国家であれ、生命を最大に拡大することにある。生命以外に目を向ける必要はない」(大詩人タマーヨ)
●「生命」――ここにこそ、人類が一切の中心としていくべき原点があると、私は、かねてより提唱し、世界のリーダーとも語り合ってまいりました。
●ともあれ、「生命の尊厳」という根本の次元に立てば、人類は、いかなる現実の差異や葛藤も超えて、大同団結することができるはずであります。ここにお迎え申し上げた、タボアダ会長の足跡が、そのことを雄弁に実証されております。
 会長は、最愛のご両親から「責任を持って誠実に努力をすれば、人生で達成できないことはない」との強靭なる信条を学ばれたと伺っております。
 そして、「重い病の治療を可能にする道を開いてみせる」との断固たる使命感を抱いて、遺伝子学のパイオニアとして、世界の大舞台で、「生命」の探求を進めゆかれるとともに、「生命」の価値創造のため、たゆまぬ啓発を広げておられます。
アインシュタイン博士も、「すべての生命に対する尊敬を主張しない、いかなる社会も、必然的に衰退するほかない」と喝破しておりました。
●「生命に対する尊敬」を堅持して、英知を結集するならば、いやまして人類の新たな創造力を薫発していけることを、私は確信してやみません。
●彼女は高らかに謳い上げました。
 「何が善で、何が悪か?それを見きわめる力だけでは十分ではありません。それに加えて、正義を愛し、正義を守る決意に燃えて、立ち上がることが必要なのです!」(ボリビアの女性詩人サムディオ)
●「最も崇高で大切なものは報恩である」(文豪ディエス・デ・メディナ
●「今、あなたは前途に、極めて重要なやるべきことがある。それは、十分に成長し、知性と精神において人間として大きくなることである」とは、ボリビアの哲人プラダ・オロペサ博士の励ましであります。
●「何があっても、最後に大事なのは勝利である」(タマーヨ)
●若き生命にみなぎる英知と勇気を、思う存分に発揮してくれたまえ!そして、かのアンデス山脈の如く大きく堂々と、かの黄金に輝く王者の鳥コンドルの如く強く悠然と、21世紀の天空高く、勝利の青春を飾りゆけ!
●敬愛してやまぬ貴国に、永遠の平和と繁栄あれ!――と心よりお祈り申し上げ、私の御礼とさせていただきます。
   (聖教新聞 2012-10-07)