「負けないで 背中を押して くれた記事」

2012年10月21日(日)更新:4
【名字の言】
 出版社に勤める女性が異動になった。華やかなファッション誌の部署から一転、ひたすら、言葉と格闘する辞書編集部へ。当初、“この先、やっていけるのか”と心細かったが、必死に取り組み、ようやく“やっていけそうだ”と思えたのは、1年8カ月が過ぎたころだった▼そんな中、自身の変化に気付く。“言葉には、誰かを守り、誰かに伝え、そして、人がつながり合うために必要な「力」がある”と感じるようになる――。直木賞作家の三浦しをんさんの『舟を編む』(光文社)の一シーンだ▼昨年の大震災以来、6度の移動を重ね、仮設住宅に暮らす婦人部員。コトッ! 早朝、本紙の届く音がする。震災から「1年8カ月」が近づいてきた昨今、つくづく思う。「希望の言葉を満載した聖教新聞を配達する『無冠の友』に、私は支えられてきたんだ。おかげで、信心で立ち上がり、師弟の絆を結ぶことができた」と▼きょうまで「新聞週間」。週間中の日曜は「新聞配達の日・新聞少年の日」とされ、きょうがその日にあたる▼今年の新聞週間の代表標語は「負けないで 背中を押して くれた記事」。一歩前へ、きょうから明日へ、生きる希望を送る一言一言を、無冠の友と一緒に届けたい。(城)
   (聖教新聞 2012-10-21)