SGIの展示は世界市民の揺籃

2012年10月29日(月)更新:3
【社説】
 「核廃絶は、必ず実現できるとの確信が湧いた」――現在、アメリカの国立原子力科学歴史博物館で開催中の、SGI(創価学会インタナショナル)による「核兵器廃絶への挑戦と人間精神の変革」展に足を運んだ市民の声である。
 「意識の変革」に根ざした創価学会の平和・文化・教育運動。その一翼を担う多角的な展示活動が国内外で高い評価を得ている。本年6月、「リオ+20」が行われたブラジルのリオデジャネイロ市では、関連行事として環境展「希望の種子――持続可能性のビジョンと変革へのステップ」(SGIと地球憲章インタナショナルの共同制作)を実施(7月まで)。「身近な問題から現実を直視することを訴えつつ、希望と夢を与える展示」(同国連邦下院議員)等の評価があった。
 8月には、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)の第20回世界大会が開かれた広島で、新展示「核兵器なき世界への連帯――勇気と希望の選択」展(SGIとICAN〈核兵器廃絶国際キャンペーン〉の共同制作)が開幕。「核兵器の否定的な面を主張するだけでなく、どんな世界を築きたいかとの積極的なメッセージがあることに感銘」(IPPNW本部部長)などの感想が寄せられた。
 学会の展示の特長は、生命尊厳の思想に基づく普遍性のあるテーマ設定と、その持続性である。例えば、核兵器廃絶を訴える展示は、冷戦下の1982年にスタート。以来、核問題の状況に合わせて改変が重ねられ、2007年から始まった「核兵器廃絶への挑戦」展は、これまでに28カ国・地域を巡回してきた。  多くの青少年が運営に携わる点も注目に値する。カンボジアでは、青年部メンバーが展示内容の現地語への翻訳を担当。先月、パラグアイで行われた環境展では、中学・高校世代の未来部員と学生部員がガイドとして汗を流した。
 展示会場は毎回、多くの市民でにぎわう。そこでの立場や年齢を超えた語らいは、社会の改善への意識を啓発し合い、自らの生き方を見直し、世界市民としての自覚を促す絶好の機会となってきた。


〈魂を触発する一対一の対話〉
 「『平和と共生の地球社会』を築く基盤はあくまで一人一人の心の変革にあり、それは“互いの魂を触発し合う一対一の対話”からしか生まれない」とは池田SGI会長の信念である。今後もSGIの展示が、草の根の対話を基にした“世界市民の揺籃”となることを期待したい。
   (聖教新聞 2012-10-27)