日蓮が弟子等は臆病にては叶うべからず

2012年11月20日(火)更新:2
【名字の言】
 世界卓球選手権大会は7ゲーム制で行われる。2009年の2回戦。石川佳純選手は3ゲームを先取され、4ゲーム目も3対9で負けていた。次の瞬間、起死回生の一打が生まれた。打球が、これまでにない勢いで相手コート深くに突き刺さった▼「打点を変えたんです」。バウンドの高い位置で打てば、相手の返球は弱くなる。しかし、自分の打ち損じの可能性も高くなる。後のない石川選手は思い切って勝負に出た。その一打から流れが変わり、逆転勝利を収めた(『なぜあの時あきらめなかったのか』小松成美著、PHP新書)▼劣勢の時に慎重になれば、ますます追い込まれる。“攻め”の姿勢がなければ、局面は打開できない。スポーツに限らず、人生の試練にも通用する“勝負の鉄則”である。その姿勢を「勇気」と言い換えることもできよう▼しかし、勇気は蛮勇とは違う。破れかぶれに攻めれば、敗北を早めるだけだ。ここぞという時に打って出る勇気は、勝機を読み、諦めずに耐え抜く「忍耐」と表裏一体である。その両方を持つものが勝利を得るのだ▼「日蓮が弟子等は臆病にては叶うべからず」(御書1282ページ)。苦境にあっても、逃げず諦めず、目標を定め、具体的に祈り、動いていこう。(糀)
   (聖教新聞 2012-11-13)