私たちの苦闘と勝利の姿が、未来の希望となる

2013年1月6日(日)更新:3
【名字の言】
 福島・宮城県の被災地の歴史史料を残すプロジェクトを取材した。地震津波で被災した民家の蔵などから、古文書を救出し、デジタル画像で残そうという作業だ▼かつて大学で古文書を扱った経験もあり、作業の手伝いもさせてもらった。プロジェクトのリーダーが語っていた。「過去の歴史から、未来の希望を発見する作業です」。例えば……▼1611年12月、マグニチュード8・1の地震が起き、北海道から三重県までが被害を被った。岩手県の田老と大船渡では津波が20メートルに達したと推定されている。ところが、宮城県で発見された古文書から、この時、津波に襲われた地域で、数年後には新田の開発が進んでいた、ということが分かった。史料からうかがえる、民衆の不屈の建設の歴史――それは、今、被災地の人々にとって、未来への希望となるだろう▼民俗学者の故・荊木淳己氏は、かつて小説『人間革命』に綴られた創価の人間群像を「民衆の大叙事詩」と評した。そこに刻まれている三代の会長と、草創の学会員の苦闘と勝利の姿が、どれほど「今」を生きる私たちを奮い立たせてきたことだろう▼「今」を懸命に生き抜こう。その私たちの苦闘と勝利の姿が、未来の希望となることを確信して。(哉)
   (聖教新聞 2013-01-06)