わが友に贈る・寸鉄・小説「新・人間革命」連載5000回特集

2013年1月9日(水)更新:3
【世界を照らす「人間精神の宝」 今月 台湾で初の法華経展 写真資料、仏教芸術130点を公開】
●昨年は、東京と関西で行われ、「仏教の普遍的価値を浮き彫りにし、人類の精神的遺産を紹介する歴史的な展示会」(インド国立公文書館のハサン館長)などと、大きな反響を呼んだ。
   (聖教新聞 2013-01-09、以下同)


【わが友に贈る】
 大事な時だからこそ
 「油断大敵」だ。
 戸締まり、火の元の
 点検も怠りなく!
 絶対無事故の一年を!


【勇者の誉れの北九州 原田会長が激励 躍進の総県総会】
●原田会長は、「御義口伝」を拝しつつ、信心、師弟と言っても、一切は「自身」の祈りと決意と行動で決まると強調。北九州こそ「青年学会 勝利の年」に先駆し、偉大な人間革命の勝利のドラマを綴ろうと励ました。


寸鉄
●庶民を大切にする事こそ学会の強さの源泉―議長(ブラジル) 同志と共に。地域の為に。
●百年先の人が仰ぐ人生を生き抜け―恩師。今日も前進! その一歩が歴史と
●朝の勝利が一日の勝利。白馬の駆けるが如き勤行・唱題から爽やかに出発
●戦いは大将軍で決まる! 責任は自分、皆には安心と喜びを。名指揮を頼む
●入浴中の事故は交通事故より多し。高齢者は温度差に注意! 家族も意識を


【「新・人間革命」が連載5000回に 民衆勝利の大叙事詩
《ブラジルの音楽家 アマウラ・ビエイラ 社会のため 幸福のため立ち上がる青年群 「慈愛の励まし」こそSGI発展の因》
●第11巻「暁光」の章には、善の連帯の拡大を恐れた勢力によって“学会は危険な思想をもった政治団体”といったデマや無理解の批判にさらされた事実が明かされています。
 74年には扇動された軍事政権によって、ビザが発行されず、渡航を断念せざるを得ませんでした。
 それに対して、心の師と対話しながら、はるか未来の勝利を心に期した伸一は、84年に、18年ぶりにブラジルを訪問するのです。
 滞在中、大統領、外務大臣、教育・文化大臣等との会談が実現。ブラジル社会の山本伸一への見方は一変していました。
 このドラマの裏には“二度と不当な弾圧は許さない”と誓い、文化運動などを通じて、人間主義の哲学を広げてきたSGIの青年の存在がありました。
 伸一は、そうした青年たちにも、寸暇を惜しんで、直接、激励に走りました。
 青年を愛する。青年の成長こそが私の喜びである――こうした博士の真心がSGIの青年の中に脈打っていると感じます。
●“困難に直面した時にこそ真の力が試される”(サン=テグジュペリ)


東京大学大学院教授 市川 裕 「最も苦しんだ人々こそが幸福に!」 迫害を越え 世界が学会を賞讃》
●池田名誉会長の小説『新・人間革命』は、恩師・戸田城聖の構想を具体化しゆく、弟子・山本伸一 ――すなわち名誉会長の大業を綴った壮大な絵巻である。

〈不屈の信念の人〉
日蓮は大難を覚悟の上で、権力者に対して「立正安国論」を提出し、何度も警鐘を鳴らし続けた人物である。私は旧約聖書に登場する預言者エレミヤの受難の人生を想起した。日蓮は個人の心の救済のみならず、仏法の教えを通して社会の問題を思索し、現実に仏国土を築こうとした。仏法史に輝く不屈の信念の偉人であろう。
 20代の半ば、私は日本に住むユダヤ人の家族と知り合った。これが契機となって、ユダヤ教の研究を本格的に始めた。彼らは今まで私たちが見ていたものとは、全く違うものの見方をしていた。
 アメリカスクールで、「ユダヤ人であるから」という理由だけで、子どもがいじめにあっていた。ユダヤ教の歴史は、迫害と受難の歴史であったと言ってよい。世界各国でマイノリティー(少数派)として生きている。
 第4巻「大光」の章では、ナチスユダヤ人迫害の歴史が克明に綴られている。
 山本伸一は、ドイツのライン川のほとりで、決然と語った。
 「最も苦しんだユダヤの人びとが幸福になれないなら、人間の正義はいったいどこにあるのだろうか」と。
 これは、ユダヤ人に限らず、“最も苦しんだ人々”を徹して大切にする、名誉会長の一貫した姿勢が顕著に表れた言葉であろう。
 ユダヤ人はさまざまな地域で、“あの人たちは国家の中に自分たちの国を作っている”と言われてきた。経済的な利益をユダヤ人が独占し、吸い上げているというイメージが形作られていった。
山本伸一は「多くの人びとは、ナチスユダヤ人迫害を目にしても、黙って何もしなかった。無関心を装うしかなかった。それが、ナチスの論理に与(くみ)することになった」と語る。そして、「発端に抵抗せよ」との歴史の教訓を示している。
 ユダヤ人の大半が、“ナチスは脅しで言っているだけで、人間であれば、まさか実行はしないであろう”と思っていた。しかし、数百万のユダヤ人に対するホロコースト(大虐殺)は、実行されてしまったのである。
 悪に気づいたならば、断固として立ち上がらねばならない。全てが起こった後に悔いても、手遅れであるからだ。

〈無冠の勇者たち〉
●第13巻の「光城」の章では、奄美で学会に対する弾圧の嵐が吹き荒れた事件が取り上げられている。学会員に対する“村八分”が広がっていた。
 これに対して、山本伸一は報告が遅れ、事態が深刻化したことを危惧して幹部を一喝している。「学会がこれまで、なぜ大発展してきたのか。それは、たとえ、北海道の原野の村で起きたことも、九州の山里で起きたことも、その日のうちに本部に報告され、即座に適切な手を打ってきたからです」
 問題が小さいうちに原因を察知し、リーダーが賢明に対処しなければならない。ホロコーストの教訓と同じである。
 奄美では、学会員がまるで不軽菩薩のように難に耐え、行動していった。『新・人間革命』には、どの章を読んでも、苦しみを乗り越えて幸福を勝ち取っていく無冠の勇者たちが登場している。
 普通であれば、この方々の生涯が活字になって残ることはなかっただろう。しかし、名誉会長は、こうした無名の王者に光を当てている。聖教新聞の体験談もそうだ。
 ある人の勝利の体験を、次世代の後継者たちが確かに受け継いでいく。語弊を恐れずに言えば、これが世界中で起こっている創価学会の未聞の“実験”の結果ではないだろうか。
 偉大な運動は、「無関心」「嘲笑」「非難」「抑圧」「尊敬」の五つの段階を必ず経るとマハトマ・ガンジーは語っている。
 奄美の学会員も、「嘲笑」され、「非難」を受け、「抑圧」されながらも、ついには「尊敬」を勝ち取った。今では奄美での音楽隊・鼓笛隊のパレードに、市民から大喝采が送られていると伺っている。
 「闇が深ければ深いほど、暁は近い」「誠実に、粘り強く、友情と信頼の根を広げていくなら、人びとの学会への偏見は、理解と賞讃へと変わることは間違いない」――この名誉会長の確信が、今や世界中で現実のものとなっている。
 私は『新・人間革命』を読みながら、学会の未来を受け継ぐ若い青年の皆さんにこそ、この本を徹して学んでほしいとの思いを強くした。そして、ぜひとも世界市民としての広い心を養い、大難にも立ち向かう不屈の信念を培っていただきたい。