人生は早い。だからこそ大切に生きたい

2013年1月10日(木)更新:4
【名字の言】
 劇作家・倉田百三の戯曲に、こんな一節がある。「この世は無常迅速というてある。その無常の感じは若くてもわかるが、迅速の感じは老年にならぬとわからぬらしい」(『出家とその弟子』角川文庫)▼無常とは、言い換えれば“変化”のこと。その意味は、若い人でも、頭では理解できるかもしれない。だが、その“変化の速さ”は、ある程度の年齢にならないと実感できないというのだ▼確かに、子どものころの時間は、比較的ゆったり過ぎていた。それが年配になるにつれ、年月が足早に過ぎ去るように感じる。多くの人に共通する感覚だろう。人生は早い。だからこそ大切に生きたい▼「年の数だけ折伏を」と昨年、78歳で78世帯目の弘教を実らせ、晴れやかに新年を迎えた多宝会の婦人がいる。毎年のように対話を実らせながら、経済苦、夫との死別など、数々の試練を乗り越えてきた。「信心ってすごい。年を重ね、苦労を重ねた分、人を励ます“体験の引き出し”が増えるんだから」。会心の笑顔が、“人生勝利”の輝きを放っていた▼御書に「一生空しく過して万歳悔ゆること勿れ」(970ページ)と。さあ、新たな挑戦を。昨日より今日、今日より明日へ。日々、悔いなく、人間革命の道を勝ち進みたい。(誠)
   (聖教新聞 2013-01-10)