母が喜ぶ自身に成長を

2013年1月17日(木)更新:4
【名字の言】
 来月、韓国に初の女性大統領が誕生する。最愛の両親を暗殺で奪われ、波乱の青春を生きた朴槿恵氏。彼女の半生を綴った自叙伝『絶望は私を鍛え、希望は私を動かす』(横川まみ訳、晩聲社)を読み返した▼自叙伝の中で、とりわけ心を動かされたのは、両親をはじめ、家族に触れた部分だ。その人自身の人間味、素の部分が垣間見えるからだろう。朴氏の場合、人格形成に多大な影響を与えたのは、母・陸英修さんであったという▼ファーストレディーでありながら、誠実、質朴、謙虚さを貫いた母。凶弾に倒れる日まで、子どもたちの「良き模範」であり続けた。朴氏は「人生の一番大切な財産を母から得た」「確信に満ちた母の姿は幼い私にとって憧れだった」と述懐している▼「母を喜ばせたい」と、福井県から単身上京し、創価大学に入学した友がいる。いつも友の幸せのために祈り、動く、母の背を見て育った。陸上部に入った彼は、猛練習を積み、今月2日、関東学連選抜の一員として、「箱根駅伝」に出場。その力走は、全国に勇気と感動を届けた▼誰にとっても母は、最初の「憧れ」の存在であり、いつまでも「一番、喜びを届けたい人」のはず。母が喜ぶ自身に成長を――そう心に固く刻む。(忠)
   (聖教新聞 2013-01-16)