「青年学会」

2013年1月19日(土)更新:5
【名字の言】
 オーストラリアの一部住民が話す言語には、「前後左右」にあたる単語がない。自分を中心に位置関係を表す習慣がなく、あるのは「東西南北」という座標軸だけだ▼例えば、「机の左に」は、北向きに座る人なら「机の西に」、南向きに座る人なら「机の東に」という言い方になる。不便と思うが、現地の人々にはこの表現が自然であり、そういう文化の中に生きているのだ▼5000回を刻んだ小説『新・人間革命』。第1巻では、53年前、世界平和の旅に出発した山本会長の、異文化の中で仏法の真髄を伝えゆく挑戦が綴られる。日本での慣習を基準にしては「世界の人たちに、日本の民族衣装を無理やり着せるようなもの」。仏法の本義にたがわぬ限り、地域の文化や慣習を尊重するという、SGIの精神の原点が築かれた▼所変わり、時代が変われば、運動の在り方は変わってくる。一方、変化にばかりとらわれ、原点を見失えば、発展の道は閉ざされる。「変えてはならないもの」は何か。「時代や地域に応じて変えるべきもの」は何か。「後継」とは、それを徹底的に思索し、峻別し、一つ一つ実行する労作業のことであろう▼私たちの合言葉である「青年学会」には、その挑戦の誓いが込められている。(行)
   (聖教新聞 2013-01-18)