この基礎工事の姿を、皆さんの瞼に、思い出深く、刻んでいただきたい

2013年1月29日(火)更新:3
【名字の言】
 山形県天童市は、「将棋駒」の産地として有名だ。この地で、名工と仰がれる父に弟子入りし、「盛り上げ駒」の若手職人として活躍する男子部員がいる▼将棋駒の中でも最高級とされる「盛り上げ駒」には、文字通り、漆を重ねて文字を盛り上げる、高度な職人技が求められる。駒作りで一番重要なことを聞くと、「下地作りをおろそかにしないこと」と即座に返ってきた▼漆は、下地に少しでも狂いがあると、ひずみが出てしまい、せっかく盛り上げても、すぐに剥がれてしまうのだという。「下地は見えないけれど、手抜きをすれば、すぐに分かってしまいます」。何ごとも「基礎」を作る作業が最も難しく、根気がいる▼14年前(1999年)、創価大学に「本部棟」が完成した。その建設の槌音が響くキャンパスで学び、巣立ちゆく若人に、創立者の池田名誉会長は望んだ。「この基礎工事の姿を、皆さんの瞼に、思い出深く、刻んでいただきたいのである。人生にあっても、土台づくりに、労苦の汗を流していく時こそが、最も神々しい充実の時代だと思う」と▼東京・信濃町では、「総本部」の建設が進んでいる。壮麗な完成の姿を心に描きながら、私たちもまた、人生勝利の土台を築いていこう。(應)
   (聖教新聞 2013-01-26)