座談会 世界がSGI会長の哲学に注目

2013年2月5日(火)更新:6
【輝く創価の師弟城(5) 30周年を迎えた「記念提言」】
正木 1月26日「SGI(創価学会インタナショナル)の日」に池田先生が記念提言を発表されました。
原田 SGIの結成は1975年(昭和50年)1月26日。グアムに世界51カ国・地域の代表が集いました。38年がたち、今では192カ国・地域に創価の連帯が広がっています。仏法がこれだけ短期間で、世界中に広まっているのは、歴史的なことです。
杉本 先生が「SGIの日」記念提言を発表されたのは83年(同58年)が最初です。毎年、発表され、今年は30周年ですね。
橋元 難題が山積する世界の情勢をどう見るか。人類が直面する課題の本質とは何か――生命尊厳の仏法の視座から見た現実社会への深い洞察はもちろんですが、問題の所在を掘り下げるだけでなく具体的に提案されていることに、国内外の識者が注目しています。
棚野 かつて、アメリカを代表する文化人類学者のメアリー・キャサリンベイトソン博士は、こう語っておられました。
 「私が、SGI会長の毎年の『平和提言』を手にして深く感銘するのは、人類が直面する課題に論及するにあたり、必ず、人間個人に焦点を当てていることです。社会的に大きな問題に直面した時、人々は、”自分一人の力では何もできない”と考えがちです。しかし、問題の真の解決は、一人の人間が問題の本質を理解し、解決に向けて立ち上がり、献身し、努力を傾けつづけるところにあるのです。そのことに目覚めた人々の連帯によってこそ、問題の解決が図られていくのです。そのためにも対話が不可欠なのです」と。

〈希望実現への提案〉
吉井 世界的な宗教学者であるハーバード大学名誉教授のハービー・コックス博士も、このように語られたことがあります。
 「全体を一読した時、年輪を重ねられた賢人が語りかけているかのように感じました。若き日を振り返り、青年時代に読んだ本、当時の思索など、影響を受けたことを振り返った上で、将来に目を転じ、未来に対する希望へつながっていき、その希望がどうすれば実現するかについて、かなり詳細な提案がなされている、といった印象を受けました」と。
 個々の論点にも深い共感を示しておられました。
棚野 われわれ青年部は、記念提言を通して池田先生の構想をしっかりと学んでいきます。
正木 海外の大学でも、池田先生の哲学・思想を求める動きが年々、活発になっています。昨年12月には中国の教育界をリードする北京師範大学に「池田大作平和教育研究センター」が設立されました。
杉本 池田先生の200番目の名誉学術称号となる「名誉教授」称号を贈った大学ですね。
吉井 そうです。2008年には、この大学に47大学・団体の研究者が集まり、「池田大作思想国際学術シンポジウム」を開いています。このたびセンター長に就任した高益民副教授は「池田先生の思想から”人間のための教育”を探求していきたい」と語っておられました。
橋元 いまや、池田先生の外国語書籍は41言語・1400点という大変な規模です。卓越した仏法思想と、それを現代に展開された池田先生の哲学への共感が広がっています。
棚野 ブラジルのアウグスト・モッタ大学のホジェリオ・デ・オリベイラ教授は、「池田博士は、人類を崇高なる本質へと導く人物であり、その著作は、その本質を伝え残すものであります」「生命と世界の本質を見極めている博士の深い思想は、人々を、より豊かに高めていくことができるのです」と語っておられました。
原田 世界が求める先生の指導を日々拝している私たちです。これほど光栄なことはありません。

〈勝利と幸福の実証〉
棚野 日蓮大聖人は、法華経方便品で説かれる「諸法実相」に関して、こう仰せです。
 「本末究竟と申すは本とは悪のね(根)善の根・末と申すは悪のをわり善の終りぞかし、善悪の根本枝葉をさとり極めたるを仏とは申すなり」(御書1466ページ)と。
 現実社会の善悪を見極めるのが、仏法の智慧であり、仏法者の実践です。
橋元 さらに大聖人は「智者とは世間の法より外に仏法を行ず、世間の治世の法を能く能く心へて候を智者とは申すなり」(同)と仰せになっています。
原田 だからこそ、学会同志が職場や地域、家庭で信心根本に勝利と幸福の実証を示そうとしている姿は、智者そのものであり、仏の振る舞いなのです。
杉本 一人一人が池田先生と共に、”新たな人間革命を”との決意に立ち、それぞれの使命の舞台で前進していることは、日蓮大聖人に直結する「仏法即社会」「信心即生活」の生き方といえますね。
吉井 先生は「広宣流布とは、正義の大波を、身近な足元から広げていくことだ。身近な友と信頼を結び、わが地域に対話の花園を広げていく。仏法の慈悲の精神を社会に生かし、展開しゆく創価学会の運動こそ、最も道理に適った『仏法即社会』の前進なのである」と指導されています。
正木 自分自身の振る舞いを通して、わが地域社会で友情を広げ、信頼を結ぶ。この尊く偉大な取り組みを日々、誇りをもって重ねていきましょう。
   (聖教新聞 2013-01-28)