データ・プライバシー・デー パソコンウイルス対策を万全に

2013年2月5日(火)更新:7
【社説】
 きょう28日は「データ・プライバシー・デー」。データの守秘と保護に関する意識を高め、教育・議論を喚起するために、2007年にEU(欧州連合)で提唱された。現在では、アメリカやカナダなどでも、関連する教育論文発表や展示会などの記念行事が行われるようになった。アメリ連邦議会では、正式な国の記念日として決議、採択されている。
 06年にフェイスブックが一般公開され、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の人気が加熱する中、オンライン上でのプライバシー保護に関する若者向けの情報が少なかったことから、この一連の活動は、主に10代の若者を対象に始められたものだ。

〈高まる情報管理への意識〉
 国内でも、急速な技術進化と機器の価格破壊、利便性の高さから、若者のみならず、スマートフォン(多機能携帯電話)を持つ中高年世代が増えた。
 電車やバスの中では、幅広い世代がタブレット端末や電子書籍端末を使用する姿をよく見かける。セキュリティー対策やプライバシーの問題についての利用者の意識も、以前に比べて向上した。
 一方、”不正アクセス行為の禁止”などの法整備や、電子署名、暗号化等の技術も向上したものの、その盲点を突くようなアプリの登場や新たな手口の犯罪が起きている。個人としてデータを守るためには、面倒であったとしても、パスワードの設定やセキュリティーソフトの活用など、情報管理を考慮した機器の利用が基本である。
 「家には大したデータがない」「短時間しか使っていないから大丈夫」という考えは、大きな間違いだ。データがなくても、パソコンや携帯端末が遠隔操作されれば、他人に攻撃を仕掛ける踏み台にされかねない。

〈利便性に潜む落とし穴〉
 「対策をしていないパソコンなら、5分もかからずに侵入できる」ともいわれている。自分の機器や情報は、自分で守らなくてはならない。「小事が大事」である。
 池田名誉会長は「”取るに足らない小さな事”――そこに魔のつけ入るスキが生まれる。小事が大事になる前に、いち早く手を打てるのが賢者であり、『責任』を知るリーダーである」と語っている。
 利便性が増せば増すほど、その裏には思わぬ”落とし穴”が潜んでいる。情報化社会に課せられた責任を、十分に認識した機器使用を心掛けていきたい。
   (聖教新聞 2013-01-28)