社説 若い世代に向けた新企画を拡充

2013年2月11日(月)更新:5
【社説】
 最近、テレビのニュースや討論番組などで、若い論客の姿を目にすることが増えた。閉塞した時代を切り開く旗手として、新しい世代に期待と注目が集まっている証左といえよう。
 本紙、土曜日付の青年向け紙面「スタートライン」では、昨年末から若手オピニオン・リーダーの視点から、今を見つめ未来を考える、新企画「新世代ベクトル」を開始した。登場するのは、多くの人から支持されている若手発信者たち。彼らの言葉は、ありふれた世代論でも安直な体制批判でもない。この時代を生きる「主体者」として、現実を的確に捉え具体的な提案や実践を紹介している。
〈混沌とした社会に希望示す〉
 こうした企画を踏まえ、編集体制も20〜30代の記者を中心に構成している。記者自身の感性や意見を織り交ぜながら、現代人の生き方や働き方を共に考え、言葉にしていく。出来上がった独自の若者論に、「今いる場所で少しずつ、将来に希望が持てる環境に変えていきたいと思いました」(20代女性)など、多くの読者から好評が寄せられている。
 イギリスの歴史家アーノルド・J・トインビー博士は、間断なく襲いかかる時代からの「挑戦」に対する「応戦」によって、「新たな文明」が生まれ成長する、と洞察した。
 創価学会は、戦前から戦後という一大転換期にあって、混沌とした日本社会に、日蓮仏法の希望の哲学を示し、実生活の中で実験証明することで、苦悩する多くの庶民を幸福へと導いてきた。
 今再び、日本は大きな転換期を迎えている。少子高齢化や雇用不安など、若者を取り巻く社会環境は依然として厳しい。また、グローバル・ネットワーク化で価値観の多様化が進み、社会に共通する“幸せの指標”が失われつつある。大震災の傷痕も、いまだ深い。

〈変化の先頭で応戦する人に〉
 そんな激動の時代だからこそ、変化の先頭に立って、現代の挑戦に応戦する若者の台頭が求められている。その要こそ、創価三代の会長から人間革命の哲学を継承する青年部である。
 池田名誉会長はつづっている。「青年たち一人ひとりの勝利こそが、私の人生の総仕上げの勝利そのものなのだ」――「青年学会 勝利の年」の本年は、新時代を切り開く人材が陸続と躍り出る時である。「新世代ベクトル」が、その一助になるよう、今後も充実の紙面作りに努めていきたい。
   (聖教新聞 2013-02-11)