美への感動は、おそらく「仏性」の躍動へとつながっていよう

2013年2月12日(火)更新:3
【名字の言】
 夜明けが、だんだん早くなる。早朝、マンションの階上から、東の空を望む。七色にきらめく雲、解き放たれる黄金の矢……言葉を失うほどの絶景だ。都会の中にも、心を満たす大自然の絵巻が広がる▼写真集『永遠の日本』を上梓した白川義員さんは、希望の見えない時代を生きる若者に、こんなアドバイスを送る。「朝早く起きて日の出の太陽を見ること。夕方の日没を見ること。そうすれば、いろんなことを考えられるんじゃないかな」と(本紙1月19日付)▼四季の光に美しさを感じ、天空のドラマに感動を覚える“人間存在”そのものの不思議さを思う。ヒトという種は、なぜ誕生したのか。それは宇宙が、自らの美しさを感じてほしかったから。だから宇宙は、大自然の秩序を認識し、感動できる知的生命体を育んだ。「人間原理宇宙論」と呼ばれる説である▼「美」の価値が、分かるということ。それは、生命のもっとも奥深い働きであろう。池田名誉会長は「『自然と語りあう』ことによって、本当の自分というもの、人間というもの、生命というものが見えてくる」と語った(『青春対話?T』)▼美への感動は、おそらく「仏性」の躍動へとつながっていよう。陽光の輝きは、生命の輝きである。(栄)
   (聖教新聞 2013-02-01)