デザインとは「生きている姿勢そのもの」

2013年2月13日(水)更新:3
【名字の言】
 駅には、それぞれの醸し出す個性がある。制作したデザイナーの意思が、建物に表現されているからだろう▼工業デザイナーの水戸岡鋭治氏は、列車や駅などをデザインし、数々の表彰に輝く。氏の哲学は、デザインとは「生きている姿勢そのもの」。だから日常を疎かにしない。お茶、お菓子の用意や掃除などを1年間きちんとこなせない者を、自分の事務所に置かないという▼日常生活を大切にしながら、受けた仕事に全力で立ち向かう。”ここまでやってくれるのか”と顧客がうなる努力を重ねる。若者に「いいものができたかどうかだけではなく、全力を尽くすということをどうしても見せたい」と同氏は語る(『幸福な食堂車』一志治夫著、プレジデント社)▼一流とは、精魂を込めたか、妥協を残したか、微妙な一念の違いが、必ず作品に表れることを知る人をいうのだろう。葛飾北斎は自らを「画狂(がきょう)老人」と称した。90歳の天寿を全うするまで、絵画にすさまじい執念を燃やした。だから、彼の作品は、時代を超えて見る人の胸を打つ▼信心即生活――日々の勝利の積み重ねが、満足の人生、広宣流布の前進の礎になるという哲学こそ、創価の真骨頂だ。二度とない、今日という一日を全力で、悔いなく。(敬)
   (聖教新聞 2013-02-03)