社説 「新しい力」と共に新しい歴史を

2013年2月14日(木)更新:4
【社説】
 「言語に絶する歓喜を以て殆ど六十年の生活法を一新するに至った」――牧口常三郎初代会長は、1928年(昭和3年)に自身が入信した時の喜びを述懐し、こうつづっている。日本の当時の平均寿命が40歳代ともいわれる中、牧口会長が仏法に巡り合い、新たな人生の出発を切ったのは、57歳の時だった。
 入信後、冷たく去っていった友人もいた。御書・経文の通り、信仰を貫く故の諸難にも遭った。しかし、「(信仰した)因縁によって、意外なる人格者に親近の機会を得、不肖ながらも更生を指導した新しい親友は百名にも上った」と。信仰のおかげで、さらに多くの新しい出会いに恵まれ、「新しい親友」を得たことを望外の喜びとしていた。

〈青年が拡大の波を起こす〉
 入信からわずか2年後の30年(同5年)、牧口会長は戸田城聖第2代会長と共に「創価教育学会」を創立。新たな人類史を開く大きな佳節となった。
 そして、池田名誉会長が、恩師・戸田会長の願業である「75万世帯の弘教」の突破口を開き、広宣流布の分岐点ともなった「2月闘争」(52年〈同27年〉)。
 「『新しい人』だからこそ、『新しい力』を持っている」――名誉会長は、入会間もない友を大事にした。自ら「広布の最前線」に飛び込み、「一対一の対話」に力を注いだ。共に祈り、共に折伏に歩き、一人を徹して励まし抜いた。
 名誉会長が蒲田支部支部幹事に就いたのは、24歳の時である。
 仏法に出合って4年余りの青年リーダーが、「新しい力」と共に、拡大の波を巻き起こし、「新しい歴史」を開いたのが「2月闘争」であった。

歓喜の一言は百万言に勝る〉
 一波から万波へと広がる歓喜、偉大な仏法を実践し、充実した人生を歩める喜びの連鎖――これが、「2月闘争」「文京の戦い」「大阪の戦い」をはじめとする拡大戦に通ずる原理だったといえる。
 今日の創価学会の基盤を築いたのは、「新しい力」による師弟共戦であった。
 名誉会長は語っている。「歓喜する新会員の心には、無限の可能性を開く力がある。喜びに溢れた友の一言は、百万言の理論に勝り、人の心を揺さぶっていく」と(『池田大作全集』第136巻所収〈新しき若き同志の拡大〉)。
 世界広布への新たな飛躍の時を迎える今。わが地域の「新しい力」と共に、信心の歓喜と広布の息吹をみなぎらせ、「新しい歴史」を開きたい。
   (聖教新聞 2013-02-13)