全行政区にメンバー誕生を目指して――モスクワに広布の春を呼ぶ

2013年2月17日(日)更新:3
【―世界の体験プラザ―  ロシアSGI エカテリーナ・アキーモワさん 5年間、医大学部長として奔走】
〈人間関係が地球規模に広がる〉
●「少しでも仏法をやってみない?」
 お茶を飲みながら、ふと彼女が言った。アキーモワさんの悩みを感じ取っていた彼女は、自分の人生を変えた信仰体験を語った。
 何かを求めていたアキーモワさんは、仏教の知識はなかったが、「ええ、やってみたい」とその場で答えた。
 初めてSGIの会合に参加したのは、1993年3月のこと。真心からの対話に心が動いた。
 「そこには、いろんな国の人がいて、私の小さな世界があっという間に地球規模に広がった思いでした。まったく知らない人が心から私を歓迎してくれる。そんな人間関係に出あったことがなかったので、心から感動しました。私もこの素晴らしい人たちのようになりたい、と」
 以来、勤行・唱題を実践。モスクワでの会合には全て出席した。
 「まだはっきりした変化はなくても、この実践は正しいと感じていました」

〈波が騒いでも大海の底は不変〉
●1カ月後、夫婦の“破局”が来た。夫に暴力を振るわれ、命の危険さえ感じて、身を隠す。
 もはや後戻りはできなかった。住む家、当面の生活費、財産の分割をはじめ離婚問題に決着をつけることと、夫と顔を合わせることへの恐怖――難問が押し寄せてきた。
 健康にも不安があった。失意。屈辱。そんな中でも「自分の人生が新しい幸福の扉へと向かっている」と感じた。
 2カ月後、池田SGI会長の御書講義を初めて読んだ。
 「その一言一言に大きな歓喜を感じました。こんなことは生まれて初めて。頭の中だけではなく、人生全てを変えてくれる、と感じました」
 「『波が騒いでも、大海の底は不変です。人生には苦も楽もある。それらの波に左右されない、深く大きな自分自身をつくるのです』――この一節を思い出すたびに私の心は落ち着きを取り戻し、希望が芽生えていきました」
●「悩みはたくさんあっても、不思議なほど幸せを感じて、どんな人でもこの信心で幸せになり、生命力がみなぎり、美しい人生を送れると確信しました。この幸せを他の人たちに語り、分かち合いたいと思うようになりました」

〈SGI会長の6回の訪ロが誇り〉
●「決意の祈りを重ねていくと、生活に困らなくなりました。しかも10の学科からなる学部の学部長への昇進の話が来たのです」
●モスクワ医科大学創立250周年記念に出版された事典の、医療教育・医学の発展に寄与した人物の項目に、アキーモワさんのことも書かれている。医学者の技能向上のためのプログラムを策定。今でも全国の医療機関で活用されている教科書を執筆した、と。
 2009年11月、SGI研修会で来日できた。
 「私たちの人生の奥深くまで分かっていて、私たちを信じ、一人一人を深く包み込んでくれる池田先生の指導が終わる頃には、かつて感じたことのない希望が湧いてきました。先生の期待に必ずやお応えしようと決意しました」
 この時、11月13日の誕生日に、池田SGI会長からプレゼントが届いたことも、大きな喜びだった。
●皆は、カーチャと愛称する。カーチャは、人の面倒見がよく、メンバーの仏法対話を応援し、それが入会にいたったケースも少なくない。会合や電話で根気よく相談を受け、一緒に勤行し、相手が安心するまで時間とエネルギーを惜しまずに激励する姿は、皆のお手本だ。
 仕事柄、出張も多い。広大な国土の全行政区にメンバーが活動する日を心に描き、ロシア広布のパイオニアとして行動するドクター・カーチャ。
 「今、ロシアは困難な時代を迎えており、希望を失い、生きる意味さえ失う人もいます。だからこそ私には使命がある!と自分自身に言い聞かせています。何よりも先生が平和と人々の幸せのために、ロシアに6回も来てくださったことをいつも思い出し、励みにしています」
   (聖教新聞 2013-02-16)