指針 行動せよ!胸を張れ!!

2013年2月18日(月)更新:5
【本部幹部会で紹介された名誉会長の指針】
《目の前の一人を励ませ》 
●それは1777年、ドイツの寒い冬のことでありました。
 北風に向かって、勇んで28歳の若き指導者が馬に乗り、旅を続けておりました。
 冷たい雹(ひょう)が降っても、青年は、ひるまない。ワイマールの都から遠く離れた、悩める無名の友のもとへ、青年は森を抜け、山を越えていきました。
 一人を励ますため走った、この若き指導者こそ、私たちの敬愛するゲーテなのであります。
 ゲーテは叫んだ。
 「人間よ 気高くあれ」
 ちょっとしたことで落ちこんだり、すぐにくたびれて、だらけたり、意気地なしになったりしてはいけない。
 “気高くあれ!グッと胸を張れ!”
●「進んで人を助け善であれ!」
●そして、「正しいことを つねに倦(う)むことを知らずおこなえ」と。
●私は、若き日に、戸田先生から、「ゲーテを読んだか」「どこまで読んだか、内容を言ってみなさい」と厳しく鍛えられた。
 「ゲーテのように生きなさい!戦いなさい!」と、何度も何度も言われました。
 戸田先生も私も、ゲーテが好きでした。世界に輝く大文豪です。一生懸命に、読み、研究しました。
ゲーテの文学を読む人は多い。しかし、その精神を受け継いで行動を起こす人は、どれだけいるだろうか。
●このあまりにも貴重な「ゲーテ・メダル」を、どれほど深いお心で授与してくださったか。
 (ワイマール・ゲーテ協会の特別顕彰として名誉会長に「ゲーテ・メダル」が贈られた)
●大文豪の命が光る、この人類の宝のメダルには、「行動せよ。翼を持ったわが友、ペガサス」と刻まれている。
 このメダルが、いかに貴重なものか。私は、よく存じ上げています。
 ゲーテが依頼し、12個しか作られなかったうちの一つである。(1816年制作)
 まさに“宝の中の宝”である。
 私は、ゲーテ協会のご厚情に、世界192カ国・地域の青年と共に、ゲーテの心を携え、勇気と信念の翼を広げて、お応えしていく決心であります。

〈偉大な母に感謝 親孝行の人に!〉
●大変に母思いであり、母を大切にしたゲーテを見習って、世界の偉大な母たちに敬意を表し、「婦人部の皆様、ありがとう!」と心からの感謝を捧げてまいりたい。
 お母さんを大事にするのです。それを忘れてはいけない。
 特に若い皆さんに、そう申し上げておきたい。
●未来部の皆さんは、学びに学んで、親孝行をしてください。親に苦労させたり、苦しめたり、悲しい思いをさせてはいけない。
 いろいろあるだろうけれど、どんな親であっても、心の中では子どものことが心配でならない。皆さんのことが一番大切なのです。その心が分からないといけない。
 親に喜んでもらうのです。ほっとさせ、安心させてあげるのです。
 そのためにも、皆さん方は、言葉を大切にしていただきたい。
 はっきりと言葉に表してこそ、心の思いは相手に伝わっていく。
 皆さんの言葉と態度が大事です。それは、何よりも価値があるのです。
 皆さんの言葉と態度が大事です。それは、何よりも価値があるのです。
 親の言うことには、「ハイ!」と返事をする。それができるのが、大きな心の人だ。
 時には、「お母さん、きょうは私がお手伝いするから休んでください」と優しい言葉をかけてあげるのです。
 一言、そう言えば、どれほど、親はうれしいか。きっと陰で涙を流して、喜んでくれるでしょう。
 未来部、そして青年部の皆さん、親孝行を頼みます!

〈戦争は絶対反対〉
●わが家もまた、例に漏れず、あの戦争に苦しめられた一家でした。
 戦時中、私の4人の兄は次々と戦地に召集された。
 一家の柱の父も病気がちで、母の苦労は並大抵ではなかった。
 その母を助けたいと思い、私は小学校6年生の時から3年間、新聞配達もしました。
 昭和20年に入ると、わが家は強制疎開で取り壊され、新しい家も空襲で直撃を受け、灰塵(かいじん)に帰した。
 どん底の中のどん底でした。本当に苦しみました。
 だから私は、戦争反対です。戦争が憎い。
 初代会長の牧口先生は、誤った思想を奉じて戦争を遂行した軍部政府に、真っ向から反対して投獄され、獄死されました。
 第2代会長の戸田先生も、牧口先生にお供して、2年間の獄中生活を強いられました。
 この獄中で、牧口先生の死を知らされた戸田先生は、独房の中で、ただ一人、涙にかきくれました。
 そして、「必ずや牧口先生の仇を討つ!」と心に誓い、出獄後、平和への大闘争に立ち上がっていかれたのです。
 ここに創価学会の師弟の原点があります。

ゲーテの如く人間王者の道を》
ゲーテというと、やはり戸田先生のことを思い出す。
 一流の教育者であり、何もかもご存じの天才的な指導者であられた。
 軍国主義に抵抗し、断じて信念を曲げなかった先生は「牢獄で2年間、勉強したよ」ともおっしゃっていた。
 どんな場所でも勉強できる、大境涯を開いていける――そのことを身をもって示された。立派な、不世出の先生でした。虚偽を見破る鋭さは、怖いほどでした。
●“優れた師に学び、さらに発展させよ”
●“偉大な師匠を見つけよ。その人に学ぶことが、一番大事なのだ”
●この賢人ゲーテの励まし通り、私は師弟の道を走り抜いてまいりました。
 そして広宣流布を進め、世界中に仏法を広めました。
 世界の各地に、未来への“第一歩”を印したのです。

〈生き生きと!臆せず進め!〉
●私たちは、「常楽我浄」の生命哲学の旗を高く掲げたい。
 生き生きと、若々しく進もうではないか!
●懐かしいゲーテの詩の一節を朗読して、御礼のあいさつといたします。
 「わたしはいつも人間のよろこびを謳う
 ただしい道をそれぬかぎり/人間は実にうつくしく/永遠に人間ひ偉大である」
 悲しみの道ではなく、喜びの道を、そして正しい道を、まっすぐに進むのだ。
 そしてまた――
 「臆することなく起(た)って進め、/世の人々はためらい惑うとも。/気高い者が明知(めいち)と勇気をもって事にあたれば、/すべてのことは成就するのだ」
   (聖教新聞 2013-02-18)