「世界万国の為」「私は書かねばならぬ、知れる限りを、生の限りを」

2013年2月21日(木)更新:3
【名字の言】
 北海道に30年来の伝統行事がある。毎年、厳寒の季節に開かれる「青年主張大会」だ。青年が自身の信仰体験を通し、地域貢献や社会変革への思いを発表。今年も約170会場で行われる▼先日、美幌町で開催された大会では「わが町を元気に」と題して男子部員が登壇。若者らで知恵を絞り、道内のコンテストで準優勝するご当地バーガーなど、土地自慢のグルメを次々と考案・普及した活動を発表した。「私は、日本一の仕事をしたい。『自分が変われば世界が変わる』という人間革命の哲学で、愛する郷土に尽くしたい」と▼初参加した地域の名士は「生きるエネルギーをもらいました。現代は、何かをやろうという希望をもつ青年が少ない。しかし本来、理想に生き、失敗を恐れず挑戦するのが青年です。そんな青年がまだいると、心強く感じました」と言う▼北海道が生んだ偉人に、アイヌの口承文学を民族として初めて記録した、知里幸恵がいる。彼女の生涯は19歳と短かった。その命を「世界万国の為」「私は書かねばならぬ、知れる限りを、生の限りを」と燃やし尽くした▼どうしても書かねばならない、語らねばならないものがある――その情熱が、人の心に勇気をともす。大志こそ青春の異名である。(鉄)
   (聖教新聞 2013-02-20)