「仏法は道理」である。

2013年3月9日(土)更新:3
【名字の言】
 沖縄の言葉で、よく知られている「なんくるないさ(何とかなるさ)」。前向きな心を表すとして親しまれる一方、「どうせ何とかなる」という場当たり主義の響きも否めない▼本来は、「まくとぅそーけー(正しいことをすれば)なんくるないさ」という決まり文句。「くじけずに正しい道を歩むべく努力すれば、いつかいい日が来る」との意味だという▼先日、厚生労働省の発表で、女性の平均寿命日本一だった沖縄県が3位に後退した。医師会では、この発表の前に放送したテレビ番組で、生活習慣病について、単に「なんくるないさ」となりがちな沖縄人(ウチナーンチュ)の傾向性に警鐘を鳴らし、「まくとぅそーけー」を強調して、日頃からの予防の重要性を訴えた▼この指摘は、「祈れば何とかなる」と捉えがちな信仰の姿勢についても相通じるものがある。池田名誉会長は、現実の出来事に対して「具体的な対応をしない受動的ないき方は、真実の信仰者のあり方ではない」と示した▼目標を明確にし、具体的に祈る。その上で、祈りを叶えるために、現実の生活の中で努力を重ねる。その延長に祈りは叶う。自動車にはエンジンが必要。だが、スイッチを入れ、アクセルを踏まなければ動かない。「仏法は道理」である。(碧)
   (聖教新聞 2013-03-08)