多機能携帯電話が普及 アプリ入手・情報管理は慎重に

2013年3月29日(金)更新:5
【社説】
 スマートフォン(多機能携帯電話)の普及が進んでいる。利用率は日本の人口の4割に拡大し、青年層では5割以上の人が保有しているという(インプレスR&D「電子書籍ビジネス調査報告書2013」)。
 スマートフォンは、アプリケーションソフトをダウンロードし、インストールすることで、端末に機能を追加できることが大きな魅力だ。
 ところがその時に、端末に保存されている電話番号やメールアドレス、電話帳データ等の個人情報に対する「アプリ提供者のアクセス許可」を求められる場合がある。利用者が同意すると、アプリ提供者は、これらの情報を自由に読み取れるようになる。

〈信頼できる提供元かどうか〉
 悪意のある人間が、アプリの提供と見せかけて情報を入手し、架空請求のメールを送りつけるなど、電話帳データを悪用するトラブルが急増している。国民生活センターによると、スマートフォンを利用した有料サイトからの料金請求などに関する相談件数は、今年1月末までの10カ月間で、前年同期の4・6倍に当たる約1万3500件にも上った。
 情報処理振興事業協会(IPA)セキュリティセンターによるスマートフォンのセキュリティー対策は、「OSは常に最新の状態にアップデートする」「信頼できる提供元からインストールする」「『提供元不明のアプリ』はインストールしない設定にする」「アプリをインストールする際にアクセス許可を確認する」「アプリは常に最新の状態で利用する」「セキュリティー対策ソフトを利用する」――など。
 同センターはホームページ(http://www.ipa.go.jp/)に情報を掲載し、注意喚起している。

〈危機意識高め賢明に活用〉
 企業側も厳密に検証したアプリだけの公開や、企業が開設したサイトだけでアプリを流通させる等の措置を講じているが、個人の端末である以上、最終的には利用者自身が危機意識を高める以外にない。使い慣れている端末のため、つい油断しがち。しかし「敵と申す者はわすれさせてねらふものなり」(御書1185ページ)である。
 大切な情報の詰まった端末は、紛失といったケース以外にも、情報漏えいの恐れがある。その際には、利用者本人以外の個人情報も流出する可能性があることを忘れず、“文明の利器”を賢く活用していきたい。
   (聖教新聞 2013-03-29)