心は、人生を自在に描いていく筆のようなもの

2013年4月8日(月)更新:3
【名字の言】
 春の花々が咲き誇り、いつもの道が明るい。フレッシュな新人が加わり、いつもの職場も明るくなった▼ドイツの文豪ゲーテの作品に「希望」と題する詩がある。「わが手の営む日々の仕事/これを完成する高い幸福を与えてくれ!/わたしは中道で倦むことがないようにしよう!/いや これはむなしい夢ではないのだ/今は枝も葉もなく棒さながらのこの樹も/いつかは実をつけ影を落とすのだから」(山口四郎訳『ゲーテ全集1』潮出版社)▼1775年、26歳のゲーテは、ワイマールのカール・アウグスト公に顧問として迎えられる。以来57年間、政治家として活躍する。この詩は、ワイマールで新しい仕事を始めた翌76年の作品。ワイマールを、自身の枝や葉を伸ばし、実をつける“使命の天地”と定めた、青年ゲーテの心が伝わってくる▼「大事なことは、何事にも意義を見いだし、希望に、勇気に、前進の活力にしていくこと」と池田名誉会長。そこに「心の豊かさがあり、強さがある」と。心は、人生を自在に描いていく筆のようなもの。その心の力を最大に発揮するための仏法である▼春の語源の一つは、草木の芽が「張る」季節だからという。今いる場所で、向上の芽を着実に伸ばし、張り切って進みたい。(側)
   (聖教新聞 2013-04-08)