争いの根本解決に必要な示唆がある――教授

2013年4月20日(土)更新:6
ベルファスト和平合意から15年を記念 北アイルランド・アルスター大学で池田大作SGI会長の平和セミナー】
●参加者は「信念を貫けば平和は成し遂げられるという希望が湧いた」等と感想を
池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長の平和哲学とその実践をめぐって、北アイルランドのアルスター大学と同大学「国際紛争研究所(INCORE)」主催の平和学セミナー「分離された社会と世界における平和構築」が10日、ベルファスト市内の同大学で開かれた。
 これには、同大学のポーリーン・マーフィー名誉教授、INCOREのブランドン・ハンバー所長をはじめ、各界の学識者が出席。戸田記念国際平和研究所創立者のSGI会長がメッセージを贈り、同研究所のウルバン所長が基調講演を行った。
 テロや武力紛争が約30年も続き、深刻な社会的分断に苦しんだ北アイルランド。1998年4月10日にベルファストで和平合意が成立し、紛争は終結をみたが、平和的共存に向けた取り組みは今も続いている。
 今回のセミナーは和平合意から15周年を記念して行われたもの。主催したINCOREは、北アイルランドを中心に紛争問題の解決を探究してきたアルスター大学の研究機関。国連大学とアルスター大学の共同プロジェクトとして93年に設立された。
 セミナーでは、はじめに、マーフィー名誉教授があいさつ。平和の実現は、98年の和平合意の枠組みをいかに履行するかが課題であるとし、池田SGI会長の思想に注目する理由を語った。
 「池田博士は傑出した仏教哲学者であるのみならず、大学などの教育・研究機関を創立されています。毎年、平和提言を発表され、世界の指導者と対話を重ねられている『行動の人』であります」
 そしてSGIを「博士が築かれた、平和に向けて行動する民衆のネットワーク」であるとたたえた。
 続いて、イギリスSGIのサミュエルズ理事長がSGI会長のメッセージを代読。会場からは、万雷の拍手が送られた。
 ここでウルバン所長が基調講演を。「内なる変革」「対話」「世界市民の意識」の3点を基盤とするSGI会長の平和哲学とその実践を紹介した。
 最後に、同大学のダンカン・モロウ教授が講評に立った。
 モロウ教授は、ベルファストの和平合意は人々が何を成し遂げうるかを示した一方で、北アイルランドの人々に対し、SGI会長が言う「精神の変革」を要請してきたと洞察。平和構築においては、政治的な枠組みだけでなく“全ての人間に責任があり、根本の道徳を見つめなくてはならない”とのSGI会長の指摘が大切であると訴えた。
 また“人間は皆、等しく重要な存在である”とのSGI会長の哲学に共感を寄せて、「争いの根本的解決に必要な、重要な示唆がある」と語った。
   (聖教新聞 2013-04-19)