車での長距離移動に細心の注意

2013年5月2日(木)更新:3
【社説】
 「睡眠時間が短いと、記憶が飛ぶように突然、眠くなる。そんな時は、すぐに安全なところに車を止めて、仮眠するんです」
 深夜にタクシーを利用した際、運転手が語っていた。プロのドライバーでも無理は禁物。仮眠後は、軽い運動で目を覚ますそうだ。
 遠方の友人や親戚に会いに行くなど、長距離の移動や不慣れな地域での運転が増えるゴールデンウイーク。最大限の注意を払い、無事故を期していきたい。

〈遠方へは ゆとりある計画で〉
 複雑な交差点では、カーナビの指示も分かりにくい。初めての道で迷うと、気持ちが焦り、道路標識の見落としや交通違反を起こしやすく、危険だ。
 遠方に出掛ける際は事前にルートを調べ、「ゆとりある計画」を立てよう。トイレや休憩場所、渋滞情報、天候なども確認したい。ガソリンの量、バッテリーやタイヤなど、出発前にチェックしておけば、安心だろう。
 街中での運転で特に気を付けたいのが、カーナビの注視。目的地近くでは、画面を見る時間が長くなり、わき見運転になりがちだ。自転車や歩行者にも気を付けよう。
 また休日は、普段あまりハンドルを握らない運転者も多く、突然の車線変更や急ブレーキに、追突しそうになることも。十分な車間距離を保ちたい。
 高速道路は、道路交通法により駐停車禁止である。日本自動車連盟(JAF)によれば、高速道路での救援依頼で最も多いのがタイヤのパンク(約28%)、次いでガス欠(約12%)。事故や故障でやむを得ず停車する場合は、ハザードランプや三角表示板、発炎筒などで後続車に合図しよう。
 走行中は、後部座席も含め全席でシートベルトを着用し、チャイルドシートを正しく使って、安全運転を心掛けたい。

〈“いつも通り大丈夫”は油断〉
 交通事故は「帰路」に多いといわれる。疲れがたまる時だからこそ、余裕を持ち、目的地に着くまで気を引き締めていこう。
 池田名誉会長は、小説『新・人間革命』第22巻「命宝」の章で、「大事故も、その原因は、小事にある。ゆえに、細かいことへの注意が、事故を未然に防ぐ力となる」とつづっている。
 ”いつも運転しているから大丈夫”との油断を排し、有意義な友好拡大の思い出を重ねたい。
   (聖教新聞 2013-04-26)