わが胸に永遠の「幸福の都」を

2013年5月2日(木)更新:4
【地平線を超えて SGI会長との心の絆 イタリア・フィレンツェ(下)1992年】
●この日、フィレンツェ市から世界の一級の文化人に贈られる「フィオリーノ金貨」が、SGI会長に授与されている。市庁舎での授与式に際し、SGI会長は署名簿に記した。

 世界の文化の都は永遠
 人類の幸福の都は三世
 人間の価値の都は真実
 その都こそ
 皇帝の花の都
 フィレンツェなり
       ☆
●終了後、SGI会長は会館の本館へ向かった。その時である。
 「ワァ、センセイだ!」「チャオ(こんにちは)、センセイ!」
 周りで遊んでいた未来部員たちが、ワッと駆け寄ってきた。皆、瞳をキラキラと輝かせている。
 池田会長は「皆、いい子だね。遊んでいくんだよ」と声を。そして「写真を撮ろう!」と語った。
 即席の写真撮影会。階段の上に子どもたちが並ぶ。中央にはSGI会長夫妻。
 「チーーーーズ」と、SGI会長はユーモアを込めて「チーズ」の音を長く伸ばす。声を合わせて「チーズ」と言う子どもたちの顔に、笑いがはじけた。
●「撮影の後、『池田先生と記念撮影できるなんて、すごいね』と多くの人に言われました。でも、その時は小さかったですし、撮影の意義はよく分からなかったんです。今になって、この出会いが宝の歴史になっていると深く感じます」
●「何が好きなの?」「サッカーが大好きです!」
 「どんな選手が好きなの?」「バッジョ選手!」
 そしてSGI会長は、「君は、かしこそうな顔をしているね。大きくなったら創価大学に来るんだよ」と語った。
 9年後、カネダさんは、創価大学への留学を果たす。日本語が全くできなかった彼にとって、勉学の道のりは厳しかった。文化の違いにも苦しんだ。
 しかし、度重なる師匠の励ましを胸に壁を破っていく。そして無事、大学を卒業し、就職を勝ち取ることができた。
 現在、カネダさんはフィレンツェ東方面の男子部長として、地域の青年拡大をリードする。
 「座談会には毎回、多くの新来者が参加しています。彼らがSGIの一員となれるよう、懇談と激励を重ねてきました。その結果、今年の3月16日には、10人が新たに御本尊を受持したんです!あの時、先生が私たちを励ましてくださったように、未来部や新たな人材を激励し、育てていこうと決意しています」
       ☆
●92年の7月1日、SGI会長はイタリア文化会館でスピーチを。戸田第2代会長の出獄の日である「7・3」の意義を込め、かつて恩師のもとで学んだホール・ケインの『永遠の都』を通して語った。
 「私はどこまでも戸田先生に誓った『広宣流布』という革命の道を行く。まっすぐに進む。一身に難を受けていく。これが『7・3』の心である」
 「幸福の『永遠の都』は、どこにあるか。詮じつめれば、大聖人は、妙法を持つ我らが胸中にありと仰せである。
 私どもの生命の中に、輝く『幸福の宮殿』はある。その宝の宮殿を開きに開いていくことである」
 「最高の『幸福の都』を開く原動力は『信心』であり、『唱題』である。
 『唱題の人』『自分に勝つ人』こそが、人生を、三世を、楽しみきっていける人である」
●「私の心に『7・3』の精神が刻みつけられました。何があろうと、広宣流布を目指し、使命の道を歩もうと心に決めました」
 彼女の父親も優秀な弁護士だった。長らく信心に理解を示さなかったが、イタリア文化会館の設置をきっかけとして、SGIの活動に協力してくれるようになった。
 しかし、2000年に、この最愛の父が他界する。
 「父が亡くなったのは7月3日でした。不思議な一致でしたが、私は生命の永遠性を実感しました」
 父が残した法律事務所を継ぐのは大変だったが、師の指導を糧に、困難を乗り越えてきた。今、一流企業や銀行のトップからも仕事の依頼が相次ぐほどに、事務所は発展した。
 「自分の心に師匠がいる。それこそが、苦難を乗り越えて、人生を切り開く原動力となっています」
       ☆
●「またお会いしましょう!」「いつも心は一緒です!」――窓越しに三色旗を振って、友の真心に応えるSGI会長夫妻。
 「あの時、先生と目が合ったんです。先生は、私にVサインを送ってくださいました」
 そう語るのは、役員として諸行事を支えたニッコロ・ウゴリーニさん。現在は副壮年部長で、先月までトスカーナ州の壮年部長も務めていた。
●イタリア広布を牽引する堂々たる前進。ウゴリーニさんが語っていた。
 「私の願いは、池田先生の指導を胸に、一人一人の個性を尊重しながら、異体同心で前進していくことです。先生の激闘にお応えするためにも、全力で広布拡大に取り組んでいきます。
 人生の最期の時に、鏡に映った自分を見つめて、『私は先生の良き弟子であった。本当に幸せだ』――そう言い切れる自分でありたいのです」
   (聖教新聞 2013-04-26)


・『地平線を超えて SGI会長との心の絆 イタリア・フィレンツェ(上)』
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