人を頼るな!汚れる事を厭うな!同志を大切にし励ますのが学会の幹部

2013年5月4日(土)更新:2
・『徹底して全支部員への激励と仏法対話を進めてまいります』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20161116


【新・人間革命 勇将 六十三】
 支部長の西坂勝雄は、最後に、ひときわ力を込めて訴えた。
 「一昨年、山本先生は、『恐るるな 功徳したたる 妙法の 法旗高らか 奈良は厳たり』との和歌を、奈良の同志に贈ってくださいました。私は、この和歌のごとく、力の限り前進してまいります!」
 真剣であった。懸命であった。
 山本伸一は、新支部長の、その心意気が嬉しかった。彼は、西坂にも、激励に記念の品を贈りたかった。しかし、何もない。
 御宝前に供えられた直径五十センチほどの鏡餅を見ると、彼は県長らに言った。
 「これを差し上げようよ」
 拍手が起こった。伸一は、鏡餅を台ごと一人で持ち上げようとした。重さは二十キロ以上もある。県長の沖本徳光は、運ぶのを手伝おうと、手を差し出した。しかし、伸一は、一人で抱えるようにして、西坂支部長のところまで運んだ。餅についていた粉で、スーツは白くなっていた。だが、そんなことは、全く気にも留めず、「頼むよ!」と言って渡した。受け取った西坂の足がふらついた。
 沖本は、伸一の行動から、リーダーの在り方を語る、師の声を聞いた思いがした。
 “人を頼るな! 自分が汚れることを厭うな! 同志を大切にし、励ますのだ。それが、学会の幹部じゃないか!”
 沖本の五体に電撃のような感動が走った。
 しばらくして、伸一の指導となった。
 彼は、一月の十五日に行われた、若草山の山焼きのことから話を進めた。
 「毎年一回、山焼きが行われますが、必ずまた、春とともに、若草が萌え出る。それは、草は焼かれても、根っこがあるゆえに、草の灰を肥料として吸収し、みずみずしい草を茂らせるのであります。
 人生も同じです。根がある人は、何があっても必ず栄える。根とは信心です。その根をより太く、強くしていくことによって、福運を吸い上げ、自分のみならず、一家一族をも、永遠に繁栄させていくことができる」
   (聖教新聞 2013-04-27)