奮迅

2013年5月14日(火)更新:5
【新・人間革命 奮迅 八】
 方南支部結成大会は、婦人部の代表抱負などに続いて、副会長の秋月英介のあいさつとなった。彼は草創の杉並支部の出身である。
 秋月は、草創の支部の強さは、各人が“一人立つ精神”に貫かれ、勇気ある実践を展開してきたことにあったと述べた。
 「草創の同志たちは、一人立って、友に仏法を教え、その人がまた、次の人へと弘教していった。そして、座談会が開かれるようになり、『組』が生まれ、『班』がつくられ、『地区』に発展して、新しい『支部』が結成されていった。これが、草創期の創価学会の歴史であります」
 組織は、出来上がっていたものではなく、自分たちが必死に動き、汗を流し、涙を拭いながらつくり出していったものだ。そこには、皆に広布開拓の主体者の自覚があった。
 主体者となるのか、受け身の姿勢でいるのか――実は、この見えざる一念のいかんが、広宣流布の一切を決していくのである。
 秋月は、さらに話を続けた。
 「また、当時の会員は、皆、無名の庶民でありました。病気や貧乏に悩み、誰も助けてくれないなかで仏法を教えられ、藁にもすがる思いで信心を始めました。
 先輩たちは、そうした方々を人材に育て上げようと、一生懸命に面倒をみた。その熱意と確信に打たれ、新入会の友は信心に励み、広宣流布の闘士となっていきました。
 そして、自分と同じように、悩み苦しむ人たちを、次々と折伏していった。それらの友が、見事に蘇生していく姿を見て、ますます歓喜し、仏法に対する確信を強め、さらに功徳の実証を示していったのであります。
 この草創の精神を踏まえ、支部長、支部婦人部長をはじめ、幹部の方々は、今まで以上に、支部員一人ひとりをよく知り、親身になって相談にのってあげてください。皆を幸福にし、人材へと育てるために、労苦の汗を流してまいろうではありませんか!」
 皆のことを懸命に願い祈る時、最も成長を遂げ、幸福を獲得するのは自己自身である。
   (聖教新聞 2013-05-13)