団結もまた、感謝から生まれるのだ

2013年5月22日(水)更新:5
【新・人間革命 奮迅 十五】
 山本伸一は、教学部上級試験に合格できなかったという壮年に語った。
 「あなたは、任用試験を受ける人たちに対して、一生懸命に勉強を教え、後輩を育てるという、『実践の教学』に取り組んできたではありませんか。すばらしいことです。尊いことです。自分の上級試験の受験勉強をする時間がなかったんでしょう。
 次の機会に受かればいいんです。いや、次の次でも、さらに、そのあとでもいいんです。
 大事なのは、“御書をひもとこう! 仏法を学ぼう! 教学を研鑽しよう!”と決め、勉強を重ねていくことなんです。試験があれば、それを目標に、勉強していくことができるではありませんか」
 そして伸一は、壮年と握手を交わした。
 彼は、第二東京支部長会で、そのことを思い浮かべながら、語っていった。
 「『教学の年』第二年を迎え、上級試験と任用試験が実施されましたが、上級試験では、各県区や本部の幹部で不合格になった方もおります。これまでも、有名な幹部で合格できなかった方が、何人もいるんです。採点は、教学部が厳格に行っておりますので、こればかりは、私もなす術がありません。
 教学に精通した人が幹部であり、幹部の皆さんには、教学試験に合格していただきたいのは、もちろんです。しかし、毎日毎夜、後輩の信・行、そして教学の指導に全力を傾注し、自分の勉強の時間が取れなかった方も多い。それもすべて御本尊はご存じです。
 したがって、不合格を嘆き、自信を失ったりすることはありません。多くの後輩を教学試験に合格させ、育成したことを自らの誉れとして、また、それが偉大なる功徳となることを確信していっていただきたい。
 また、合格した後輩の方々は、自分の面倒をみてくれて、不合格になってしまった先輩を尊敬し、最大に感謝すべきです。そこから強い絆が生まれるし、その心こそ、仏法であり、信心であり、学会の世界の生き方です」
 団結もまた、感謝から生まれるのだ。
   (聖教新聞 2013-05-21)