苦境を成長の糧とする価値創造の生き方を

2013年5月30日(木)更新:3
【名字の言】
 今春卒業した大学生の就職率は、前年比0・3ポイント上昇の93・9%と、わずかに改善(厚生労働・文部科学省発表)。日本経済にも明るさが見える。それでも、就職の苦労に変わりはない▼ある女子学生部員は、5社続けて最終面接で「不採用」となった。結果を待って何も手に付かない日々。結果を知った後の落胆。学校や資格の試験なら実力不足と割り切ることもできるが、企業は不採用の理由など教えてくれない▼唱題に励み、自らを見つめ続けた。“私は人の苦しみが分かる人として生きたかったんだ”――就職という目の前の目標の先にある、人生の目的を思い出した。すると、不採用にも意味があると思えてきた▼“就職に悩む人の心が分かる自分になれた。ここからが新しいスタートだ”。彼女は、共に“就活”に挑む友人にメールを送った。「私の就活第2章が幕を開けました!」。その後、志望する製薬会社から見事に内定を勝ち取った▼池田名誉会長は語る。「自分の直面した事柄から、未来への積極的な意味を見いだし、何かを学び取っていく――そこに逆境をも人生の飛躍台へと転ずる哲学がある」と。彼女は就職と一緒に、もっと大事な“宝”を得た。苦境を成長の糧とする価値創造の生き方を。(将)
   (聖教新聞 2013-05-27)