勝つために強く祈る。祈って智慧と勇気を取り出し、行動を積み重ねる

2013年6月1日(土)更新:4
【名字の言】
 6000人以上の心臓疾患者の命を救ってきた、外科医の天野篤氏。氏が形見として大切に持つのは、父親の心臓に付いていた小さな人工弁だ▼父親は心臓の疾患で亡くなった。2度目の手術には、助手として最善を尽くし、3度目にも立ち会った。だが、父を救うことはできなかった。「父のような患者さんの姿は見たくない」。この悔しさが、最高の心臓外科医に、と誓うきっかけとなった▼“神の手”などのマスコミの評に、氏自身は違和感を持つという。“手術に偶然の要素があってはならない。偶然性を排除し、必然性をつくっていく。それが手術を成功させるプロセスだ”と(『この道を生きる、心臓外科ひとすじ』NHK出版)。一回一回の手術に“勝つ”ために、何度もシミュレーションを行う。命を守ることに徹する▼日蓮大聖人は、四条金吾に「仏法と申すは勝負をさきとし」(御書1165ページ)と教えられた。一方で「仏法と申すは道理なり」(同1169ページ)とも諭されている▼「勝利」は、祈れば天から降ってくるものではない。仕事や生活、広宣流布の活動に「勝つ」と固く決める。勝つために強く祈る。祈って智慧と勇気を取り出し、行動を積み重ねる。その時、勝利は必然となる。(行)
   (聖教新聞 2013-05-29)