豊かな想像力は『同苦』に通ずる心の叫び

2013年8月2日(金)更新:1
【名字の言】
 東日本大震災の時、被害を免れたコインランドリーに、夜明け前から洗濯物を手にした母たちが列をつくった。その店舗を経営する婦人部員は思いを巡らせた。“子どもたちは不安な日々に耐えている。目覚めた時、お母さんの姿が見えなかったら、どんなに心細いだろう”。「私が引き受けるから子どもの元に帰ってあげて」と、婦人は連日、洗濯機を回し続けた▼震災の後、寄り添うことの大切さを実感した。互いの心の距離を縮める一歩は「想像力」を働かせることだろう。想像力は他者の幸せを願うほどに強くなる▼山形県では、先日の豪雨で浄水場が被害を受け、数万世帯で断水。通水(つうすい)は進んだが、不便な生活は続く。水が無いとは、どういうことか。飲料・生活用水に事欠くのはもちろん、温泉街や飲食店は経営ができない。避難した人々に炊き出しをしようにも米が炊けない。代用のパンも水分がなければ、喉に詰まる……▼学会は山形に災害対策本部を設置し、救援活動を展開している。支援物資を手に、激励に奔走する同志の真心は、人々に“負けない勇気”をも届けている▼「豊かな想像力は『同苦』に通ずる心の叫びだ」と池田名誉会長。想像力は、自他共に幸福となる社会を創造する大いなる力となる。(白)
   (聖教新聞 2013-07-28)