親子の触れ合いを大切にしよう

2013年8月6日(火)更新:5
【社説】
 近年、子育てに積極的な父親が増加している。アメリカで活躍する日本人野球選手が先月、メジャーリーグの「産休制度」を利用して、夫人の出産に立ち会ったことも記憶に新しい。
 昨年の時事通信社の全国世論調査によると、父親が育児に「積極的に参加すべき」と考える人は45%で、「時間の許す範囲内で」という人を初めて上回った。
 共働きの夫婦も多くなり、育児の役割分担を決めている家庭もあるが、子どもと触れ合う時間は今なお、母親の方が圧倒的に長い。夏休みは親子で一緒に過ごす機会が増える分、心身の負担も大きくなる。だからこそ、父親が工夫して子どもに寄り添い、一家で有意義な時を過ごしていくことも大事だろう。

〈見直される“父親”の役割〉
 大人は普段、仕事で働いて疲れているが、子どもたちにも、学校などの決まりに合わせて過ごすストレスがある――。
 ゆえに“夜回り先生”として知られる水谷修氏は、“子どもが主役の日”“子どもが自由に過ごせる日”をつくろうと呼び掛ける。
 「子どもが『パパ』といってきたら抱きしめる。『遊ぼう』といっておもちゃを持ってきたらそれで遊ぶ。外に行きたがったら、いっしょに行って、帰りたがるまでそのまま外にいる。それだけでいいんです。これが子どもの心の安定につながります」(『夜回り先生50のアドバイス 子育てのツボ』日本評論社刊)と。
 一例だが、こうした関わりを通してこそ、より子どもを理解でき、親としても成長できよう。また、進んで家事を手伝うなど、母親が「息を抜ける環境」を整えることも父親の大事な役目だ。

〈身近な人生の先輩として〉
 池田名誉会長は綴っている。
 「父親は、家庭を経済的に養うだけの存在であってはならない。父親というものは、心理的、精神的にも一家を養う存在でなければならない」
 学会伝統の「未来部躍進月間」も始まった(8月31日まで)。
 家族で一緒に勤行・唱題し、自身の信仰体験や師弟の原点を語るなど、わが家の未来っ子の育成に、全力で取り組んでいきたい。親から子へ「信心のバトン」が継承されてこそ、広布と人材の流れは確かなものとなる。一番身近な人生の先輩から聞く話は、子どもにとってどれほど心の滋養になることか。
 あすから夏本番の8月。親子で成長する充実の一日一日としたい。
   (聖教新聞 2013-07-31)