随筆 共に讃え合い 励まし合い 新たな広布の大航海へ!

2013年8月8日(木)更新:1
【随筆 我らの勝利の大道〈110〉 創価の英雄に万歳を!】
 初めに、豪雨災害に遭われた岩手、宮城、山形、静岡、新潟、山口、島根など各地の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧を念願しております。
 大変に厳しい天候が続くこの夏、全国の皆様の無事安穏を、私は真剣に御祈念してまいります。
     ◇ 
 「青年学会 勝利の年」の上半期を、わが創価の英雄たちは美事な勝利で飾り、全国各地で大いなる勝鬨が轟きわたった。正義の大旗が力強く翻った。
 広宣流布拡大への偉大な奮闘に心から感謝したい。
 諸手を挙げて、共々に「万歳!」の声を、夏空高く響かせ、健闘を讃え合おうではないか!

 広宣に
  尊く捧げし
   大果報
  三世の果てまで
    凱歌の生命(いのち)と

     ◇ 
 本年が生誕二百年のイタリアの巨匠ベルディの名曲に「凱旋行進曲」がある。
 これまで本部幹部会などでも、富士交響楽団創価合唱団、音楽隊の創価グロリア吹奏楽団、中部音楽隊・鼓笛隊の友らが、この勇壮な調べを奏でてくれた。
 音楽隊・鼓笛隊の友は、今夏も、各地のパレード等に勇み臨んでくれている。
 歌劇「アイーダ」では、この「凱旋行進曲」の後、民衆の喜びの歌声が響く。
 「勇士たちの進む道に/月桂樹の葉や花をまき散らそう!」と。
 私も、偉大な創価の勇士たち一人ひとりの頭を、凱旋を喝采する「桂冠」で、希望に輝く「華冠」で飾って差し上げたいのだ。

〈師に頂いたかき氷〉
 夏が来ると、かき氷の思い出が蘇る。
 昭和三十二年の七月十七日――。全くの冤罪事件である「大阪事件」で不当逮捕・勾留されていた私は、大阪拘置所から出獄した。
 理不尽な権力の弾圧の矢面に立ち、全身全霊で師匠と学会を護り抜いた獄中闘争は約二週間に及んだ。
 加えて大阪の夏は暑い。意気盛んなれど、体は芯まで疲れ果てていた。
 そんな私に、恩師・戸田城聖先生は、かき氷を振る舞ってくださったのである。涼味(りょうみ)とともに、師の真心が生命に沁(し)みわたった。
 私も今、この猛暑の中、列島に対話の渦を巻き起こしてくださった同志の方々と、かき氷を味わいながら、心からねぎらいたい気持ちでいっぱいである。
 甲斐の国の名将・武田信玄は、リーダーの心構えとして言い残している。
 「諸将の上に思いをいたすには、人間が喉がかわくときに飲み物をしきりに欲するように、もっとも的確な心配りが肝要である」
 将の将たるリーダーが、心すべき人間学であろう。
 さらに、信玄は言った。
 「先の先まで十分に心を配って のちのちの勝ちを大事にするように」
 我らは決して油断せず、どこまでも勇猛精進の題目で、広布と人生の爽快なる勝利劇を続けていきたい。
     ◇ 
 「時は過ぎても、言葉は残る」とは、大文豪トルストイの至言である。
 我らが誠実を尽くし、語った言葉は、時が経とうとも、消え去ることはない。それは、乾ける大地に水を注いだように、友の心を潤していくのである。
 現代社会は、人間関係が希薄化し、孤立化が進んでいると憂慮される。そうしたなかで、相手の「仏性」という最も尊貴な生命を信じて、声をかけていくことが、どれほど深い意義を持っていることか。
 イギリスの歴史家カーライルも語っている。
 「よき種子を蒔くこと、また蒔いたということはたしかにあらゆる光栄の最高のものであります」
 私たちが誠心誠意、蒔いた「友情の種」は、必ずや信頼と喜びの花園となって薫りゆくことであろう。
     ◇ 
 草創の福島広布の母は、入会の当初、重い肺病と闘い、自分が生き抜いていく姿こそ、信心の実証と決めて進んでこられた。
 東日本大震災の後も、いやまして地域の太陽として矍鑠(かくしゃく)と光っておられる。
 米寿(八十八歳)を迎えた昨年は、青年に清々しい弘教を実らせたそうだ。
 この多宝の母は、微笑み語られている。
 「題目をあげていると、相手が何を悩み苦しんでいるのか、わかってきます。
 折伏し抜いてきたからこそ、自分も悩みに負けずに、全部、打開できました。
 折伏こそ、大歓喜の生命の源泉です」と。

〈仏縁を広げる喜び〉
 本年、わが東北六県の誉れの友は、麗しい励ましの声をかけ合いながら、未曽有の試練を勝ち越え、偉大な広宣流布の金字塔を打ち立ててくださった。
 御書に照らし、一日また一日、極楽百年の修行にも勝る功徳を積まれていることは、絶対に間違いない。
 自他共に幸福を享受しきっていけるのが、皆成仏道(かいじょうぶつどう)を説く、この仏法である。
 ゆえに我らは、言葉の力、声の力で、広宣流布という幸福の沃野(よくや)を、さらに大きく広げていくのだ。
 日蓮大聖人は、「法華経を信ずる人は・さいわいを万里の外よりあつむべし」(御書一四九二ページ)と明快に仰せである。
 広布に生き、人のつながりが広がれば広がるほど、福徳も自身に大きく集まってくる。仏縁を広げゆくことは、そのまま希望と幸福の拡大でもあるのだ。
     ◇ 
 男子部も、女子部も、そして男女学生部も皆、青年学会の新時代を担いゆく決意に燃えて、「行学の二道」に尊い汗を流してくれている。頼もしい限りだ。
 「人生は冒険であるという考え方を打ち切ってはいけない」とは、アメリカのエレノア・ルーズベルト大統領夫人の言葉である。
 彼女は、「勇敢に、張り切って、夢をもって生きる」ように、さらに苦労を避けるのではなく「挑戦を引き受けて立つ」ように訴えてやまなかった。
 人生の真髄は、生き生きとした「チャレンジ精神」の中にあるのだ。
 広宣流布とは、人びとの生命の大地に幸福の花を咲かせゆく究極の冒険である。それはまた、戦乱の絶えない世界に平和を築きゆく遠大な夢である。
 我らが勇気を奮った挑戦の一歩一歩は、自身の「人間革命」の完璧な栄光の足跡である。その着実な一歩一歩の中に、人類待望の「広宣流布」の未来図も描かれているのだ。
 何があっても前へ、粘り強く前へ!――ここに慈折広布を使命と定めた、我ら創価の真骨頂がある。

《わが友よ 健康第一 朗らか王たれ》
〈陰徳陽報の晴れ姿〉
 わが堅塁・大中部の広布の戦友は、四十年ほど前、経営する塗料会社の工場が不慮の火事で全焼してしまった。しかし、「どんな苦難にも意味がある。どんな災難も絶対に変毒為薬できる」と不死鳥の如く再起を果たした。
 悪逆なる邪僧の迫害からも、地域の同志を厳然と守り抜いてくれた勇者だ。
 その後、創価大学の通信教育に学び、七十七歳で見事に卒業を勝ち取った。
 今も晴れ晴れと、中部の一番星の創価家族と共に、「人生は勝負です。実証です。勝つことが仏法です」と胸を張り、正義の「この道」を邁進されている。
 日本中、世界中に光る、こうした無名無冠の同志の奮闘あればこそ、我らの城は盤石なのである。
 私の胸には、かのカーライルの言葉が響いてくる。
 「この成功に私自身の努力が貢献したという事実を見ること以上に大きな喜びを私に与えるものは決して多くありません」と。
 いわんや仏法の因果に照らし、広宣流布の功労は、必ず必ず自身と眷属の生命の栄光となる。
 大聖人は、門下の陰徳陽報の勝利の晴れ姿を喜ばれつつ、厳然と言われた。
 「この功徳は、まだ始まりです。さらに大果報が来ると確信しなさい」(同一一七八ページ、趣意)と。
 御本仏が、けなげな創価家族の未来に尽きることのない大果報を約束くださっているのだ。

〈「二陣三陣」と続け〉
 今、全国で、未来部を励ます「創価ファミリー大会」が楽しく活発に開催されている。親子や家族、そして地域が一体となって、信心と学会精神を、共々に深め合う機会に――と願う。
 無事故の運営を祈り、陰で支えてくださる担当者、役員の方々にも、心から感謝申し上げたい。
 この夏、求道の若き友が研鑽する青年部教学試験二級の範囲である「種種御振舞御書」には仰せである。
 「妙法蓮華経の五字・末法の始に一閻浮提にひろまらせ給うべき瑞相に日蓮さきがけ(魁)したり、わたうども(和党共)二陣三陣つづきて迦葉・阿難にも勝ぐれ天台・伝教にもこへよかし」(同九一〇ページ)
 今再び、新たな地涌の人材が、二陣三陣と躍り出る時が来た。我ら創価学会にとって、万年の基盤を創り開く、不思議な黄金の好機を迎えている。
 さあ、世界の創価の英雄たちと共に、異体同心の団結も固く、新たな船出だ!
 未来の後継者を励まし、育て、伸ばし、創立百周年の二〇三〇年へ、さらに、第二の「七つの鐘」を高らかに打ち鳴らしながら二〇五〇年へ、広布の大航海に出発しよう!

 偉大なる
  使命に生きゆく
    わが友よ
  健康第一
    朗らか王たれ


※ 「アイーダ」の歌詞は『名作オペラブックス13 ヴェルディ アイーダ』(音楽之友社)。武田信玄の言葉は岡谷繁実著『名将言行録 現代語訳』北小路健・中澤惠子訳(講談社)。トルストイは『文読む月日』北御門二郎訳(筑摩書房)。カーライルは『ゲーテ=カーライル往復書簡』山崎八郎訳(岩波書店)=現代表記に改めた。ルーズベルトは『エリノア・ルーズヴェルト自叙伝』坂西志保訳(時事通信社)。

   (聖教新聞 2013-08-01)