8・6「広島原爆の日」68年 中国方面学生部が意識調査

2013年8月14日(水)更新:5
【平和をつくる 8・6「広島原爆の日」68年 中国方面学生部が意識調査】
《1035人の学生が回答 広島修道大学、城忠彰教授の講評「継続した行動を評価」》
●平和への祈りを深く。平和への誓いを固く――被爆当時の惨状を伝える「原爆ドーム」を望む。広島はきょう、68回目の「原爆の日」を迎えた
●きょう6日、被爆68年となる「広島原爆の日」を迎えた。
 人類の生存権を脅かす核兵器の廃絶を――戸田第2代会長の遺訓は今、池田名誉会長から全世界の青年部に受け継がれている。
 中国方面の男女学生部は、4月8日から5月26日にかけて平和意識調査を実施。広島青年平和総会(4日)で結果が発表された。
 1994年から開始された同調査は本年で18回目。今回は中国5県の大学・専門学校等に通う学生を対象に対面方式で行い、1035人から回答を得た。
 調査では「核兵器の存在についてどのように考えますか」との問いに、63%が「いかなる場合も認めない」と回答。同様の質問を設けた3年前から低下が続く結果となった(2010年は72%、11年は69%、12年は64%)。
 広島修道大学の城忠彰教授は、次のような講評を寄せている。
     ◇ 
 世界平和の構築に向けた取り組みの原動力となるのは、平和意識の覚醒と具体的な個々の行動である。特に学生を含む若い世代が、歴史から何を学び、それを受けて間違いのないかじ取りをどう展開していくかにかかっている。都合の悪い過去に目をつぶる「健忘症」は、「過ちを繰り返す」ことに直結するものである。
 その意味で、今回の調査結果を見ると、日本や世界の次世代の意識がいまだ健全であることがうかがえ、希望を見いだすことができると、意を強くさせられた側面もあった。
 まず、「戦争についての話を家族から聞いたことがあるか」については68%と、昨年(73%)から若干減少しているものの、7割近くが経験しているし、原爆資料館や死没者追悼平和祈念館には9割近い人が訪れている。
 ただ、「被爆体験を直接聞いたことがある(内容を記憶している)」は47%と、半数を割っているのは気になる。この点は、若者に向けた行政やNGOの一層の企画や取り組みが待たれるところであろう。
 さらに「平和に貢献する行動」について、「行動している」は12%と低調であるものの、「行動したいと思うが、実行できていない」は70%に達しており、何らかの行動が必要であると大多数の若者が実感していることは評価できる。また、自分たちが平和意識を高めることが核兵器廃絶に向けた世論形成に役立つかについては、6割の学生が肯定的に捉えていることも重視すべきであろう。
 意識調査は今回で18回目ということである。次の時代を担う学生が、営々とこうした「平和行動」を継続していることに感銘を受けた。調査にあたった学生と被験者の双方にとって、平和を考える重要な契機になっているものと思量する。
   (聖教新聞 2013-08-06)