弟子の人生を歩める誇りと感謝の思いを、わが勝利の実証で示したい

2013年10月16日(水)更新:1
【名字の言】
 俳優の笠智衆氏がサインを頼まれた。快諾した氏は何の迷いもなく、「小津先生」と大きく書いた。そして、「の弟子。笠智衆」と続けた。サインの依頼主だった作家の久世光彦さんが自著『触れもせで』(講談社)に紹介している▼笠氏は、そう書くことで自分に誇りを持ち、自戒もした。“私はカメラの前ではなく、師と仰ぐ小津安二郎監督の前で演じるのだ”と。常に師匠と一緒だ、との思いが名優の座を築き上げたのだろう▼真面目に信心を貫く夫妻が待望の子宝を授かった。だが、胎児に重大な心臓疾患が見つかる。夫妻は決意した。「おなかの子が生を受けた瞬間から、私たち3人は家族だ。必ず一家で宿命転換してみせる」▼勝利を誓う手紙を、池田名誉会長にしたためた。後日、伝言が届いた。「お手紙、拝見しました。お題目を送ります……」。夫妻は、師の真心の深さに感涙した。後日、産声を上げた娘は生後10日で10時間の難手術に耐えた。現在、一家は元気に暮らす▼名誉会長は「『私は勝利した!』と/言い切れる/この叫びが/師匠に響きわたる時に/師弟不二の最極の人生を/勝ち抜いた証拠となる」とつづっている。弟子の人生を歩める誇りと感謝の思いを、わが勝利の実証で示したい。(城)
   (聖教新聞 2013-10-16)