ただ心こそ大切

2013年10月19日(土)更新:4
【名字の言】
 待ちこがれる気持ちが強いことを「一日千秋(せんしゅう)」という。先日のノーベル物理学賞の発表は、多くの人にとって感慨ひとしおの瞬間だった▼受賞したのは、万物に質量を与える「ヒッグス粒子」の存在を提唱した欧州の研究者2人。だが1960年代、理論の構築に尽力した日本人がいた。その後、世界中の研究機関と数千人の科学者たちが実験に参加した。喜びは受賞者だけにとどまらない▼称賛されるのは一握りの人でも、それに等しい功績を残す無数の人たちがいる。どちらの立場であれ、互いをたたえ、わが喜びとしていくことが、自らの人生も豊かにする。「ただ心こそ大切」(御書1192ページ)である▼一昨年、東北女子部のリーダーが本部幹部会に参加し、代表で表彰を受けた。「女子部全員にいただいた」と受け止めた彼女は、帰郷後、女子部員一人一人にその賞のメダルをかけ、写真を撮って贈った。笑顔のスナップを見た池田名誉会長は、“ここに、師と共に、同志と共に、皆で創り上げてきた創価の世界の光彩がある”とたたえた▼全同志が待ちわびた総本部落慶を寿ぐ秋。この「時」を目指し、人間革命に挑戦する同志が、世界中にいる。その勝利と栄光を喜び合う「実りの秋」にしたい。(蹴)
   (聖教新聞 2013-10-19)