大いに良い本を読もう

2013年10月31日(木)更新:3
・『悲しいことのあとには、必ず楽しいこと、嬉しいことがやってきます』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20180823


【新・人間革命 若芽 五】
 山本伸一は、さらにメッセージのなかで、「大いに良い本を読もう」と呼びかけた。
 彼は、小学生の時、貧しくて本が買えなかったため、学校や近所の図書館で、『ロビンソン漂流記』や『宝島』などの本を夢中になって読んだ思い出を記し、児童たちにも世界の名作に親しむよう望んだ。
 哲学者デカルトは綴った。
 「あらゆる良書を読むことはいわばその著者たる過去の世紀の最も円満な人人と交るにほかならず」(注)
 少年時代から良書に触れることは、何ものにも勝る心の滋養となる。
 次いで伸一は、学校生活の決まりや交通ルールなど、社会生活のルールを守るとともに、「いってきます」「ただいま」「おはようございます」「さようなら」など、はっきりとした言葉遣いで、すがすがしいあいさつができるようになってほしいと要望した。
 人生の土台となる、良い習慣を身につけることに、初等教育の大きな意義がある。
 結びに、彼は、こう呼びかけた。
 「皆さん方が、こうして元気に入学式を迎えることができたのも、両親のおかげです。お父さん、お母さんを大切にしてください。兄弟を大切にしてください。
 それと同じように、友だちやほかの人たち、特に、恵まれない、かわいそうな人たちを、大切にしていってください。みんなに対する思いやりを忘れない、大きな、広い心をもった少年であってください。
 皆さんがよく学び、よく遊び、立派な小学生に成長してくださるよう、心からお願いし、私のメッセージとさせていただきます」
 講堂に、児童たちの決意の拍手が、そして、保護者たちの感動の拍手が鳴り響いた。
 最後に、創価学園理事長の青田進が登壇した。彼は、“第一期生”である一人ひとりが、立派な児童に育つことが、良き伝統をつくっていくことになると語り、二十一世紀をめざして、伸び伸びと成長していくように期待を寄せ、祝福した。
■引用文献
 注 デカルト著『方法序説』落合太郎訳、岩波書店
   (聖教新聞 2013-10-25)