褒め讃える多くの尺度をもつことが大事になる

2013年11月30日(土)更新:1
・『教育は、未来を見すえることから始まる』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20181209


【新・人間革命 若芽 二十九】
 「立派な目標を達成するためには、よいスタートを切ることがおそらく一番重要なことだ」(注)とは、山本伸一と深い親交があった、ローマクラブを創立したペッチェイ博士の言葉である。
 東京創価小学校の教職員も、児童も、創立者の伸一が贈った第一回入学式のメッセージを何度も読み返した。
 メッセージのなかで伸一は、読書を心がけて、世界の名作に親しむことや、決められたルールをきちんと守り、あいさつすることの大切さを強調していた。また、両親、兄弟、姉妹、友だちや、恵まれない環境にいる人たちを大切にすることも訴えていた。
 それらを心に刻んだ児童たちは、読書にも挑戦しようと、よく図書室を利用した。名作といわれる本は引っ張りだこであった。
 また、校長自身が、毎朝、登校時に、元気なあいさつで児童を迎えた。児童の方も、校長に負けじとばかりに、元気な声であいさつを返した。日を重ねるにつれて、子どもたちのあいさつは身についていった。
 学年を超えてグループ編成をした給食の時間には、上級生が食事の準備や後片付けの仕方などを教え、よく下級生の面倒をみた。小さな子どもや、友だちを大切にしようという心も育まれていったのである。
 教員たちは、さまざまな面で工夫を重ねた。児童同士が知り合う機会が広がるようにと、毎月、席替えを試みたクラスもあった。
 児童のためになると思われることについては、なんでも話し合った。
 子どもたちに楽しい思い出をつくらせたいと、「子どもの日のつどい」(現在の「こいのぼりの集い」)や「七夕のつどい」(現在の「銀河の集い」)も企画された。
 より多くの角度から、児童を讃える機会が必要であるとの考えから、「よい歯の表彰」なども行われた。
 皆が人材である。それぞれの能力を生かすには、たくさんの評価の基準、つまり、褒め讃える多くの尺度をもつことが大事になる。
■引用文献
 小説『新・人間革命』 の引用文献
 注 アウレリオ・ペッチェイ著『人類の使命――ローマ・クラブはなぜ生まれたか――』大来佐武郎監訳、ダイヤモンド社
   (聖教新聞 2013-11-23)