母は強い。母は一途である。母は勇敢である。

2013年12月8日(日)更新:1
・『ご家族に心の底から喜んでいただける教育をしなければ申し訳ない』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20190122


【新・人間革命 若芽 三十六】
 一九七七年(昭和五十二年)十月、有竹富美枝は、「聖教新聞」に掲載された東京創価小学校の募集要項を見た。
 “できるなら、創価小に行かせたい!”
 そう思ったが、現実の生活を考えると、とても通わせることはできそうになかった。
 婦人部の先輩と、子どもの小学校入学の話になった時、東京創価小学校をめざしてはどうかと、熱心に勧められた。
 募集要項に記載されていた、授業料などの諸経費を見ながら、頭の中で計算し、生活が成り立つかどうか考えた。
 “生活費をもっと切り詰めれば、なんとかなるかもしれない。でも、そんなことができるのだろうか。もし、家族のうち、誰かが病気にでもなったら、入院することさえ難しくなってしまう……”
 彼女の心は揺れた。
 婦人部の先輩が、わざわざ、東京創価小学校まで、入学願書を取りに行ってくれた。
 願書を目にすると、“絶対に創価小に行かせたい”との思いが込み上げてきた。
 “創価一貫教育の学舎をつくることは、初代会長の牧口先生、第二代会長の戸田先生が念願とされ、そして、山本先生が、それを実現されたのだ。今、その創価の師弟三代の大願が、東京創価小学校の開校によって完成をみるのだ!
 子どもの幸福のため、社会の不幸をなくすための創価人間主義教育とは、どんな教育なんだろう。息子の正義を、ぜひ、この小学校に通わせたい。そして、世界の平和のために挺身する創立者・山本先生の、理想の一端でも担えるような子どもになってほしい”
 彼女は決意する。
 “お金のことは、なんとかしよう! 親の私が塩をなめてでも、息子を、必ず創価小に行かせよう!”
 彼女が願書を提出したのは、締め切り日の夕刻であった。
 母は強い。母は一途である。母は勇敢である。その母ありて、師子は育つ。
   (聖教新聞 2013-12-02)