新生東北 いまを刻む 明日を創る 他

2013年12月10日(火)更新:5
【新しい年へ! 沖縄研修道場で世界広布新時代第2回本部幹部会】
《池田名誉会長がメッセージ 爛漫たる人材と友情の花を》
●青く美しい海を望む沖縄研修道場で行われた沖縄総会。参加した男子部の長岡直希さんは昨年4月に入会。今回、紹介者の久貝一博さんと共に教学部任用試験に合格し、「友人に信心の喜びを伝えます」と。この日、同研修道場に集った未来部員による「世界広布新時代 沖縄池田未来会」が結成された
●紅型衣装を身にまとった女子部が「琉球舞踊」を(沖縄研修道場で)
●「世界広布新時代第2回本部幹部会」が12月8日午後、「沖縄総会」の意義を込めて、恩納村の沖縄研修道場で晴れ晴れと開催された。これには、原田会長、正木理事長、杉本婦人部長をはじめ各部の代表が出席。離島を含む県内11会館と東京・千駄ケ谷創価国際友好会館を中継で結んで行われた。同会館ではSGI(創価学会インタナショナル)研修会で来日中の海外28カ国・地域127人の友が参加した。池田名誉会長はメッセージを贈り、全同志の奮闘によって、人材と友情の花が爛漫と咲き開いてきたと強調。新しい年も元気に若々しく、人間革命の大歓喜の舞を共々に繰り広げようと呼び掛けた。(全国中継は12月13日から16日〈中継の会館と時間は各県・区で決定〉)
●1000人を超える新たなメンバーの誕生と、堂々たる機関紙拡大で迎えた沖縄総会。
 「ハイサイ!」(「こんにちは」の男性語) 「ハイタイ!」(「こんにちは」の女性語)
 爽やかな青空に沖縄の言葉が響きわたる。
 野外開催となった総会の会場は、かつて米軍のミサイル基地だった沖縄研修道場の健児広場。スクリーンに池田名誉会長の訪問の様子が映し出されると、参加者の心に懐かしい情景がよみがえり、感動が込み上げる。両脇に万国旗が並ぶ「世界平和の碑」の前のステージでは、青年部の“新しい力”が希望の新時代を開く心意気を演舞で表現した。
 女子部の友は「琉球舞踊」を華麗に。饒平名知世さんは、亡き父への思いを胸に当日を迎えた。未入会ながら、饒平名さんを創価大学へ送り出し、学会活動にも理解を示してくれた父。「“父に届け”との思いで、仲間と共に最高の笑顔で演技できました」と晴れやかに語った。
 男子部・学生部は「創作エイサー」を力強く。加林誠さんは「信心から離れるな」との父の遺言を抱きしめて、積極的に男子部の活動に参加するように。仏法対話に励み、聖教新聞を読んだ友人が良き理解者になった。「病と闘う母を元気づけられるように全力で踊りました。友人を中継行事に招きます!」
 続いて中村沖縄男子部長、伊志嶺同女子部長が「平和宣言」を。「先生が開かれた『人間革命』『永遠平和』の道を世界中に広げていきます!」と述べると、出演者が「嘉例さびら」の曲の明るいリズムに乗せて、「創作舞踊」を披露した。
 次に、創価国際友好会館と中継をつなぎ、梁島未来部長の進行でSGIの代表があいさつ。シンガポールのサンドラ・シンさんは同国で誕生した香峯子蘭が今、沖縄研修道場で咲き香る喜びを語り、台湾の王鼎鈞さんは沖縄青年部との友好交流に触れ、“創価兄弟”にエールを送った。
 メーン会場と中継会場の参加者が一体となった総会。アフリカ・モーリシャスのソーンディレン・カニさん(男子部)は瞳を輝かせて言う。
 「困難との闘争なくして平和はない――沖縄の同志の姿から学びました。池田先生と故・マンデラ南ア元大統領が示されたように、差異も運命の嵐も超えて、アフリカに戦火なき友情と平和の連帯を築きます!」
 フィナーレで、参加者の熱気は最高潮に。「全世界の皆さん、スタンド・アップ・プリーズ!(立ってください!)」
 出演者の呼び掛けに総立ちとなってカチャーシーを舞い踊る。我らは創価家族! 永遠に師と心一つに!――「歓喜の舞」と共に「世界広布新時代」の幕は上がった。
●幹部会では、安田総県長、喜舎場同婦人部長が“世界で最初の広宣流布の地帯に”との師の指針を胸に、沖縄から対話拡大の波動を起こそうと力説した。
 創価国際友好会館から、長谷川副理事長が池田名誉会長のメッセージを紹介。園芸店を営む照屋幸勇さん一家(妻・清子さん、長男・伸幸さん、次男・昭さん、三男・清司さん)が体験発表を行った。
 原田会長は「心の一法より国土世間も出来する事なり」(御書563ページ)を拝読。今こそ広布と人生の大誓願を掲げ、使命の舞台で“わが新時代”を勝ち開こうと訴えた。最後に、2000年7月に行われた「第48回本部幹部会」での名誉会長のスピーチが上映された。
 この日、青年部の出演者による「沖縄太陽演舞団」が結成された。
   (聖教新聞 2013-12-10、以下同)


【明年 広布60周年、小説「人間革命」執筆開始50周年 沖縄の世紀が堂々と開幕】
●沖縄研修道場は、かつては、核弾頭が装備できる、米軍のミサイル基地だった。このミサイル発射台を、名誉会長は「『人類は、かつて戦争という愚かなことをした』との一つの証しとして」残した。そして、平和の象徴になるブロンズ像を設置し、世界から友が集う「世界平和の碑」に変えたのである。


【新生東北 since 2011.3.11〜】
《いまを刻む 第17回 宮城県東松島市 阿部さん 妻の思い 子どもたちの心に》
●ラジオ朗読の小説『新・人間革命』が始まった。運転中にいつも聞いていた。“人生は最終章の姿が勝負”と語り掛けた山本伸一。その言葉を何度もかみしめた。
      ◇
●「子育てを妻に任せられたから、安心して仕事に集中できました」
●皿を洗ったり、掃除機をかけたりした。「お母さんって、結構大変なんだな」。そう言いながら洗濯物を畳む2人の横顔がいじらしかった。
●ある日、3人に言われた。「お父さん、仕事が忙しくても座談会は出ないとだめだよ」。総江(ふさえ)さんの口癖だった。「分かってるよ」と答えたが、胸の奥が温かくなった。子どもたちの心に、妻は生きている。英敏さんはそれがうれしかった。
●この春。英敏さんは家を建てた。座談会のできる仏間がほしいという妻の願いを大切にした。それぞれの部屋を初めて持てた子どもたちもうれしそうだった。真っ先に総江さんの写真額を仏間に置いた。「やっとここまで来たからや」と報告した。
      ◇
●震災から2年以上がたって感じるようになった。「総江のやりたかったことを実現しようとすると、不思議といろんな人から守られる」。妻がそばにいて助けてくれているのかもしれない。そう思うと、悲しみを乗り越えられる気がした。
 最近、陽奈(ひな)さんに「お母さんとの宝物」について尋ねた。沖縄に行ったことや、親戚との新年会を予想したが、はっきりと答えてくれた。「小さいころに、お母さんの膝の上で一緒に題目をあげたこと」
 “心の財”は絶対に壊されない。英敏さんは、そのことを身に染みて感じた。心の中で語り掛けた。「総江、子どもたちを立派に育ててくれてたんだな」
 子どもたちを広布の人材に育てたい。それが妻から託された“バトン”だと信じた。英敏さんは、何があっても3人を守り抜く覚悟だ。そしていつの日か、子どもたちに見せたい。
 トラックしか知らない男の、力強い最終章を――。


《明日を創る つながり、支え合う――持続可能な仕事をつくる 土山春代 (有)ネパリ・バザーロ代表取締役 現地で見つけ、育てる》
〈椿との出あい〉
陸前高田市竹駒町で、震災以前から障がい者の施設の開発を計画している人から、震災で計画実行が難しくなり支援を、との依頼がありました。備品等の支援を続け、2011年9月、その施設は運営開始。事業として、利用者さんたちが何か施設で製作されたら、その販売のお手伝いを私どもの団体でしましょう、ということになりました。たまたま、その施設の所長が「椿油(つばきあぶら)」の話をしてくれたのです。

〈生活に根付くもの〉
●通所施設の利用者さんへの「仕事の提供」ということでも、「椿油の復活」ということでも、作業所で、椿油を作ることはとてもいいことじゃないか、と話は進んでいきました。椿ならば、花も観光資源になります。何より、根を深く張り、災害に強い。防潮堤、防風堤にもなります。
 こうして、「椿油プロジェクト」がスタートしました。
●「地域に開かれ、地域を潤す場所」にと考え、仮設住宅に暮らす方など、4人を雇用し、工事長を入れて5人で、椿油製造工房「椿のみち」が、完成したのです。
●「仕事づくり」は「持続可能性」が大事です。そこの現地の生活に根付いた技術で、現地の生活のリズムに合わせて、つくることが重要でした。また、自分たちの技術を生かした仕事をすることは、携わっている人たちの自信にもつながります。
 現地で大切にされているものを見つけ、そして、それを大切に育てていく。そのなかで、私たちも、誰が、どのように、作っているかを知っていく。私たちも育っていくのです。

〈丁寧な手作業で〉
●「次世代への贈り物」だと思っています。
●工場に働きに来てくれる女性たちは、本当に明るくなりました。仕事が自信につながる実例です。一つ一つ丁寧な手作業で、実の傷やカビなどをチェックします。
●この高田の自根キュウリは、そのまま大地から、自分の根で生えています。自根キュウリも、田老のワカメも、地元の生産者が丹精込めて作ったもの。これに、高田の椿油
 商品は単なる「モノ」ではありません。人と人がつながり、被災地と日本全国がつながる。また世界がつながるコミュニケーションの通路です。
 これからも、人をつなげるパイプ役となっていきたいと思っています。