北風の時は、自分が“太陽”と輝けばよい

2013年12月12日(木)更新:3
【名字の言】
 冬本番を迎え、本州の太平洋側でも北西の季節風の吹く日が多くなる。農作業は寒さとの闘いだが、葉菜や根菜などの収穫に忙しい時でもある▼先日訪れた埼玉県北部の農家でも、収穫作業の真っ最中。熱暑で知られる熊谷市に近いが、夫妻して暑さに弱いブロッコリーの早出し出荷を成功させている▼企業勤めの後、意欲をもって就農した夫に対し、妻は全くの未経験。「青天のへきれき」のように農作業が始まり、手は荒れ、時間に追われる毎日。自分の選択は正しかったのか――迷いを断ち切ったのが、”地域の灯台に”との池田名誉会長の指針だった。今、妻は語る。「自分の労苦には意味がある。使命と捉えて能動的に生きることで、地域に貢献できることを知りました」▼その言葉に、キュリー夫人の言葉が重なった。「どの時代でも、人はおもしろく有意義な人生を送れると思っています。肝心なのは、与えられた人生をむだにせず、〈わたしは自分にできることはやった〉と自分自身に言えるようにすること」(『キュリー夫人伝』河野万里子訳、白水社)▼人生の成功を開く鍵を、誰もが自身の中に持っている。北風の時は、自分が“太陽”と輝けばよい。大地と共に生きる友は、それを知っていた。(由)
   (聖教新聞 2013-12-12)