地平線を越えて・2014年 社会本部、地域本部活動・命を守る防災

2013年12月25日(水)更新:4
【中部青年教育者が実践報告大会行う】
●大野中部教育部長、野上教育本部書記長、高梨教育本部長の話の後、小学校教諭の有馬滝菜さん、中学校教諭の佐野貴治さん、高校教諭の浦部陽さんが登壇。「教師こそ子どもにとって最大の教育環境」との訴えなどに、共感が広がった。
 平山中部長は「どこまでも『一人』を大切にする人間主義の教育者に」と力説した。
   (聖教新聞 2013-12-24、以下同)


【少年少女希望絵画展が開幕 明年1月5日まで】
●代表がテープカットし、絵画展が開幕! 清水審査委員長は「うれしさ、感動、優しい気持ちなどが、作品からストレートに伝わってきます」と(戸田記念国際会館で)
●第28回少年少女希望絵画展が23日、東京・新宿区の戸田記念国際会館で開幕した。
 今回のテーマは「さぁ! 未来への旅立ち 平和の道、友情の道を世界中へ!!」。
 全国はもとより、海外からも寄せられた約2万2000点の応募作品から、入選作品など85点が展示されている。
 開幕式では、青野少年部長と門田少女部長があいさつ。清水審査委員長の講評の後、山本未来本部長は「豊かな創造性、挑戦の心を持ち続け、全員が希望の未来へ大きく羽ばたこう」と呼び掛けた。
 明年1月5日(日)まで開催(12月30日から1月3日は休館)。開場時間は午前10時から午後5時。入場無料。


【メキシコで核兵器廃絶展】
●メキシコのバハカリフォルニア自治大学メヒカリ校で「核兵器廃絶への挑戦」展(制作=SGI〈創価学会インタナショナル〉)が11月26日から12月13日まで開催された。
 これは、同大学のフェリペ・クアメア学長からメキシコSGIへの強い要請で実現したもの。
 開幕式(11月26日)には、同大学のクアメア学長をはじめ、ミゲル・アンヘレス・マルティネス副学長、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)メキシコ支部のジャン・フロモウ・ゲーラ支部長ら多くの来賓が参加した。
 「大学教育に反省と解決への行動を促す展示は、学生の心に平和の種を植える大変に優れたものです」(クアメア学長)、「核兵器廃絶の実現へ、行動を起こすSGIの運動は大変に重要です。廃絶を達成することは大学の使命でもあります」(サウル・メンデス教授)等の共感の声が寄せられた。
 テープカットの後、本年の「SGIの日」記念提言等についての講演会が同大学で行われ、メキシコSGIの代表、同大学の教授らが登壇。多くの市民、学生が出席した。


【地平線を越えて SGI会長との心の絆 1993年 カナダ(中)】
《不動の自分を築け!王者の山の如く》
●SGI会長は愛する友に呼び掛けた。
 「人生を、生きて生きて生きぬくことである。それが大聖人の仏法である。
 そのために、絶対に『負けない』ことである。自分も、一家も、組織も、何ものにも負けず、何ものをも乗り越え、前へ前へと進んでいく。その姿自体が勝利である」
●「眼前に広がる美しき眺め――。カルチェは、感動のあまり、この山を『王の山(モン・ロワイヤル)』と名づけた。これが、モントリオールの名前の由来とされる。
 『王の山』『王者の山』――すばらしいロマンの響きがある。御書には『須弥山のように、「天」と「地」と「人」を貫いて、少しも傾かない存在を「王」という』と説かれている(1422ページ、趣意)。
 何があっても動じない、何があっても揺るがない。その人が『王者』なのである。皆さまは、何があっても揺るがない『幸福の王者』であっていただきたい。『確信の王者』であっていただきたい」
 この日は朝から曇り空。午後には、雨もぱらついていた。
 しかし、午後2時半から始まった総会の途中、窓から黄金の光が差し込んできた。会場にいる友の笑顔が、いっそう明るく輝く。
 会合を終えて参加者が外に出ると、大自然からの贈り物が。カナダの友の前途を祝福するかのように、天空に巨大な虹がかかっていたのだ。
 SGI会長は詠んだ。
 天空に おとぎの国の 絵の如く 大(だい)なる虹の 勲章光りぬ
●「私がこれまで見た中で、最も大きな虹でした。“モン・ロワイヤル”の付近から、斜め上に向かって、はじけるように光のかけ橋が延びているのが見えました。それは本当に美しく、パワフルな虹でした」
      ☆
●「私はモントリオール文化会館のロビーにいて、総会に集う人々を出迎えていました。
 池田先生が会館に到着された時、私がドアを開けたんです。先生はその時、私を見て、胸に手を当ててお辞儀をされました。
 私は、役員として会合の運営に携わっていることに対して、先生が深い賞讃と感謝の意を表してくださったのだと感じました」
●「感謝の心」を忘れない――職場にあっても、家族に対しても、そしてSGIの活動においても。自分を支え、陰で頑張ってくれている人をたたえ、感謝する。そういう自分でありたいと努力を続けている。
●「皆が友人や家族を招いて参加した、大勝利の集いでした。総会では青年部のメンバーによるインド風のヒップホップダンス、合唱、カンボジアの舞踊、素晴らしい体験発表などが行われ、青年が全力で準備に当たってくれました。
 これらは、カナダSGIの多様性を社会に示すものになったと思います」

〈メンバーが3倍に〉
●「当時、私はケベック大学モントリオール校で、国際関係学の講師をしていました。
 自分でも驚きましたが、総会の後は実にいい講義ができたんです。私の生命状態が良かったからでしょうか。なんだか、空を飛んでいるような爽快な気持ちだったんです!」
●現在の職責を得るまで、フォークさんには幾多の苦闘があった。信心根本に全てを勝ち越えて、研究者として、そして教育者として縦横に活躍できるようになった。
 「池田先生の指導や励ましに支えられて、私はここまで信心を貫き、仕事や生活で実証を示すことができました。本当に幸せな人生を歩んでこられたと感謝しています」
 彼はラバル大学で200人以上の学生を前に講義を行っているが、その中でSGI会長の指針を紹介しているという。
 「それは“努力と奮闘が君たちの夢を実現する。たゆまざる努力を続ける人は希望に満ちている。夢に向かって、どこまでも前進を!”との言葉です。若い人たちに、ぴったりの励ましでしょう!」
モントリオールの組織の発展は目覚ましく、93年当時と比べると、メンバーの陣列は3倍へと拡大した。
 新時代を担う若き人材が、この地でも勢いよく躍り出ている。


【2014年の活動 社会本部 地域本部】
《社会部》
〈スローガン〉
 社会で勝利! 人生で勝利! 不屈の太陽たれ! 我らは広布の賢者なり

〈3モットー〉
 一、社会の第一人者に!
 一、対話の名人たれ!
 一、人間主義の太陽たれ!


《専門部》
〈テーマ〉
 世界広布新時代へ
 一人立つ創価の世雄
 師弟勝利の専門部

〈スローガン〉
 創立100周年へ――
 我ら一騎当千の陣列で!
 師弟栄光の大躍進を!


《地域部》
〈活動テーマ〉
 地域こそ わが舞台
  信頼と友情の拡大を!

〈4指針〉
 一、師弟勝利の 地域部
 一、人間革命の 地域部
 一、信頼と和楽の 地域部
 一、広布のパイオニア 地域部


《団地部》
〈スローガン〉
 皆が地域の幸福責任者たれ!
 師とともに人間共和の勝利の都を!

〈モットー〉
 一、生涯青春の勝利者 団地部!
 一、地域貢献の先駆者 団地部!
 一、励ましの人間王者 団地部!

〈指針〉
 我らの団地から新たな挑戦!
 新時代へ希望のモデルを!!


《農漁光部》
〈スローガン〉
 希望の新時代は
   我らの農漁村から!

〈モットー〉
 1、農漁村ルネサンスの騎手たれ!
 2、食の安全を担い立つ賢者たれ!
 3、挑戦社会を照らす灯台たれ!


《離島部》
〈スローガン〉
 広布のモデルは 離島から

〈モットー〉
 栄光の創立100周年へ!
  わが島こそ
   世界の模範の希望島に!!


【災害と文明2 命を守る防災 片田敏孝】
《釜石の奇跡生んだ「備え」の実績 自然と生きる“お作法”を学ぶ》
〈人為的安全が社会弱める〉
●今、日本の防災に求められるのは、人が死なない防災を進めることです。そのためには、これまでの防災の在り方に対する反省と、将来、自然災害による犠牲者を出さない強い決意が、国や各自治体、そして国民一人一人に必要です。
 東日本大震災が明らかにしたのは、防災がはらむ裏側の問題ではなかったでしょうか。日本の防災は、昭和34年の伊勢湾台風を境に、災害対策基本法が制定され、堤防の建設等に大きく動き始めました。その結果、自然災害で亡くなる人の数は毎年100人前後までに減少しています。それ自体、望ましいことですが、人為的に作り上げた安全には、人々や社会の脆弱性を高める危険もはらんでいたのです。
●危険地域に堤防を造るのは行政の仕事。浸水想定区域をハザードマップで示すのも行政の仕事。避難の必要があれば防災行政無線が知らせてくれる――自分の命を守ることに対する主体性が失われ、災害過保護という状態ができ上がってしまっていたのです。
 その結果として、人為的に作り上げた安全は、物理的、確率的な安全性を高めましたが、人間、社会の脆弱性をかえって高めるものにもなっていたのです。
●防災の本質は堤防を高くすることではない。自らが主体的に命を守ることである

〈「避難」は理性的な行為〉
●揺れを感じれば、テレビをつけ、地震情報も確認されます。しかし、「逃げる」意思決定をするための裏付けをさがすうちに、避難の必要がなくなる――それが繰り返され、前回も大丈夫だったから、今回も大丈夫と思い込み、「逃げる」ことができなくなっていました。
 したがって、「逃げる」「避難する」という行為は、こうした人間の心の特性――「正常化の偏見」と呼びますが――を冷静に見つめ、それを超えて行動する極めて理性的な行為なのです。
地震を感じた時、「津波は必ず来る」「津波は私の命を奪うかもしれない」と考え、逃げてほしいのです。逃げて津波が来なければ、「よかった」と言って戻ればいいのです。
 “命を守る”という観点から、まず自らを律し、理性的に振る舞えば避けられる災害は何としても避けるべきです。

〈共感こそが人を動かす〉●国や各自治体、国民一人一人が、災害に事前に「備える」ことが大切です。
●「備える」行為は、もっと高度に理性的な行為です。何もない状態の中で万一の事態を考えて起こす行為だからです。しかし、今、その「備える」ことが大切になっているのです。
 釜石の小中学生は、なぜ主体的に避難することができたのでしょうか。それは、教職員、児童、生徒が津波に備える姿勢について常日頃から考え、避難訓練や地域防災活動の取り組みに結びつけていったからにほかなりません。釜石の「奇跡」とは、備えを怠らなかった「実績」の結果なのです。
 そして、防災教育を具体的に「備える」「逃げる」行為に結びつけたのは、「共感」でもありました。
●「皆には津波で死んでほしくない」

〈文化として定着させる〉
●文化は郷土愛があってこそ培われる
●従来の防災教育は、“災い”に焦点を当て、地震津波の脅威が強調されてきましたが、それでは子どもたちは海のことを嫌いになってしまいます。そうした防災教育からは何も生まれません。
 きれいな景色、温暖な気候、おいしい魚、そうした多くの恵みを与えてくれるのも海です。その海のそばで生活することで、私たちは海からたくさんの恵みをもらうことができるのです。ただし、自然は時に大きな振る舞いをする。だから君たちはその時は逃げるんだ。それが自然と生きていく“お作法”なんだ
●こうした自然と生きていく“お作法”が定着する、それが地域の防災文化ではないでしょうか。防災とは、生きることそのものであり、この地に生きるということなのです。
●「人が死なない防災」をどこまでも広げていきたい