「これからも応援をよろしくお願い申し上げます」

2013年12月26日(木)更新:1
・『育むべき根本は、自主的、主体的な意欲です』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20190404


【新・人間革命 若芽 五十一】
 運動会は、やがて閉会式に移った。
 新木校長、来賓のあいさつのあと、山本伸一が演壇に立った。
 「今日は、ちょっと難しい話をします。児童の皆さんよりも、むしろ、保護者の方にお話し申し上げたいと思います。
 昨日、私は、筍を育てる名人と会いました。その方が、こう語っていたことが、深く印象に残っております。
 『多くの方は、“筍というのは、毎年、五月ごろになって初めて生長し、立派に大きくなる”と思っているようですが、それは間違いなんです。
 実は、収穫する年ではなく、前年の七月、八月ごろに、地下茎に小さな芽ができる。これで勝負が決まってしまうんです。四月とか、五月というのは、一つの結果としての姿を見るにすぎません』
 この話を聞いて、私は感銘しました。
 というのは、人間も同じだからです。小学校時代の教育が、将来の大成を決める、大事な時期になるからです。
 その意味において、私は、今日の運動会を見て、皆さん方のお子さんがすくすくと成長している姿に、大成の芽が育っているとの確信をもち、本当に安心いたしました。
 私は、創立者として、この小学校の児童から、絶対に、人生の落伍者を出すことなく、全員が立派な社会のリーダーに育っていくよう、最大の力を注いでまいる決心です。これからも応援をよろしくお願い申し上げます」
 伸一の深い決意に、保護者も教職員も、胸を熱くした。
 詩聖タゴールは、さまざまな困難を乗り越えて創立した学校を、自身と“不二”であると宣言し、「この学校の成長は私の人生の成長」(注)と語った。
 伸一も、東京創価小学校をはじめ、創価一貫教育のすべての学校と自分とは、“不二”であると思っていた。
 そして、児童の成長、卒業生の社会での活躍を、最高の生きがいとしていたのである。
■引用文献
タゴール著「私の学校」(『万物帰一の教育』所収)弘中和彦訳、明治図書出版
   (聖教新聞 2013-12-20)