残り96%。五体に意欲をみなぎらせ、チャレンジの日々を

2014年1月15日(水)更新:2
【名字の言】
 寒空に月光がさえている。冬の月が中秋の名月より輝いて見えるのは、低い気温が大気を清涼かつ透明にさせるのと、月が天頂近くの高い所を通過するためだ▼先月、月周回衛星「かぐや」の観測データを基に作られた月全球の立体地図が公開された。地球から見ることができない月の反対側は、激しい凹凸の地形。餅をつくウサギの姿をして、おとぎの世界へいざなう穏やかな“表”のイメージとは一転、裏側は“激闘の星”という印象だった。物事は、見方によって、感じ、学べることが随分違うと、月は教えてくれた▼「わたしと宇宙展」の福島展を見た。ある展示コーナーでは、“鉄や炭素など、宇宙に存在する物質で「これは何か」と分かっているのは、全体の4%”と紹介されていた▼その前で一組の父子が語らっていた。「たった4%しか分からないの?」と息子。父は言った。「いや、秘められた可能性が96%も残っている。チャレンジに値するから、世界中の科学者が研究をやめないんだろうね」▼仏法では、「外なる大宇宙」と、自分自身を指す「内なる小宇宙」は不離一体と説く。きょう15日をもって、本年の約4%分を終えたことになる。残り96%。五体に意欲をみなぎらせ、チャレンジの日々を。(城)
   (聖教新聞 2014-01-15)