「宗教は内的腐敗によってのみ滅ぼされうるのです」ガンジー

2014年1月29日(水)更新:2
・『霊山会の約束』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20190826


【新・人間革命 正義 二十三】
 第三代会長に就任した山本伸一も、師の戸田城聖と同じ心で、宗門に外護の赤誠を尽くしてきた。また、僧俗和合のため、最大に努力を重ねるとともに、言うべきことは言ってきた。もしも宗門が、儀式主義、神秘主義権威主義に陥ってしまえば、人間のための宗教とは、なり得ないからだ。
 ところが、僧侶の本来あるべき姿を訴えてきたことや、誠心誠意、忠告してきたことに対して、反感をいだく僧も少なくなかった。まさに、「忠言耳に逆らう」のことわり通りであった。彼らは、檀信徒を僧の下に見る、強い意識をもっていたのである。
 「宗教は内的腐敗によってのみ滅ぼされうるのです」(注)とは、ガンジーの鋭い洞察である。すべての宗教者が、常に心しなければならない箴言である。
  
 「教学の年」を迎え、学会が、日蓮仏法の新展開への本格的なスタートを切った、一九七七年(昭和五十二年)の初めごろのことである。伸一のもとに、「お寺の御講(おこう)の折に住職が学会を誹謗するので、大変に嫌な思いをしている」との報告が入るようになった。
 「御講」は、毎月十三日の日蓮大聖人の命日に各寺院で行われている行事で、読経・唱題のほか、住職の説法などがあった。
 正宗寺院には、 学会が建立寄進した寺院も多かった。その寺で、集ってきた学会員を前に、住職が学会を攻撃するというのだ。
 学会員は、“寺院を大切にしよう”“信心を深めたい”との思いから、苦しい生活のなかでも供養を持参し、毎月、寺の御講に参加してきた。
 しかし、寺に行くたびに住職から、「学会は謗法だ!」「学会は間違っている!」などと、言われるようになったのである。
 そうした寺のある地域の幹部は、住職に会って話し合いを重ねた。義憤を感じた青年部幹部が、抗議したこともあった。
 しかし、月日を経るごとに、学会への誹謗は激しさを増していったのである。
■引用文献
 小説『新・人間革命』の引用文献  注 M・K・ガンディー著『不可触民解放の悲願』森本素世子訳、明石書店
   (聖教新聞 2014-01-29)