「真の人間の生き方・本当の人間の輝き」

それから、学問に取り組む姿勢について、力を込めて訴えていった。
「学問は、宇宙の真理の探究であり、そこには、王道はない。それゆえに、学問の道には、覚悟と努力、そして、強靭な探究心が必要とされます。“なんとかなるだろう”といった安易な気持ちでは、決して達成されるものではないことを知っていただきたい。
大学を卒業したといっても、ただ大卒の資格を得ただけで、学問的にも、人間的にも、なんの成長もなければ、大学に学んだ意味はありません。それは虚像にすぎない。
それに対して、真剣に学問に励んでいる人は、知性が輝き、人格も磨かれる。人間完成に向かって成長を遂げていきます。
懸命に働きながら、通信教育での卒業をめざして、全力で精進する皆さんは、着実に学問を身につけ、また、深い人生を生き抜いておられる。そこには、人間の実像があります。その精進の日々は、すべて自身の財産となって、永遠に輝きゆくことは間違いありません。(中略)」
伸一は、創立者として、真の人間の生き方を教えたかった。本当の人間の輝きとは何かを、通教生の魂に、深く刻んでおきたかったのである。それが人生哲学として確率されてこそ、学問を生かすこともできるし、人間の幸福もあるからだ。


(聖教新聞 2010-03-27 『新・人間革命』 学光 五十一)