随筆

●嵐よ、勝手に吠えろ!
吹雪よ、笑うなら笑え!
かえって、私の心は踊る。
私たちには、幾千万の諸天と諸仏の加護がある。
われらには、名聞名利の位(くらい)の高下(こうげ)もなく、大小もない。
一心に、妙法の人生に生きる「尊極の宝塔」として、恐れなくそびえ立つ。
吠え騒ぐ風よ!われらを非難しても無駄である。汝自身の本性を知るがよい。
その弱さを、迷妄、嫉妬、卑しき心の毒気を!
仏法は「現当二世」と説く。ゆえに人は、この世に生まれた時から、新たな人生の旅の、出発の連続である。その生命の出発を勇敢に勝ちゆく人は、死ぬ時もまた、永遠の勝利の人となる。
汝自身の、見えない厳しき掟を知らねばならない。
その眼に照らせば、悪は、ことごとく思い上がりであり、嫉妬であり、愚かさなのである。まぶしい太陽に遭って消えゆく、はかなき残雪にすぎない。(『随筆 桜の城』池田大作)

7月7日更新:2